ASモナコ所属MF南野拓実は、10月開催のFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選2試合(対サウジアラビア代表、オーストラリア代表)に向けての日本代表招集が濃厚。9月28日のリーグアン(フランス1部)第6節モンペリエ戦で完全休養のためベンチ外となったが、ここに来て移籍の可能性が報じられている。
リバプールで出場機会を得られず、2022年6月にモナコへ完全移籍した南野。加入1年目こそフィリップ・クレマン前監督によるフィジカル重視の戦術に適用できなかったが、2023年夏にレッドブル・ザルツブルクの恩師であるアドルフ・ヒュッター氏が監督に就任すると、控えからレギュラー要員への序列がアップ。昨季リーグ戦で9ゴール6アシストと結果を残し、クラブの年間MVPに選出されると、今季も開幕戦で決勝ゴールをマーク。9月22日の第5節で1アシストを挙げている。
引き続き攻撃陣の中心選手として機能している南野だが、スペインメディア『FICHAJES』は9月20日に「モナコ退団の可能性は排除されていない」として、プレミアリーグ方面からの関心を報道。移籍金を2000万ユーロ(約32億円)とし、「リバプールでタイトル獲得に貢献した。プレミアリーグでのプレー経験が関心を呼び起こしている」などと綴っている。
ただ一方で、リバプールの専門サイト『Liverpool.com』は2023年1月の時点で「プレミアリーグでは、南野は小柄な体格がゆえに相手ディフェンダーに圧倒され、フィジカル面で苦戦を強いられた」と綴るなど、日本代表MFがプレミアリーグのプレースタイルに適用できないとの見解を披露。選手本人も以前、リバプール時代を振り返る際、プレミアリーグへの適応が厳しかったことを認めている。
南野は2024年5月、モナコ公式インタビューでリーグアンの特徴に言及。「リーグアンは他のリーグと比べて、よりダイナミックでタフ。1対1の状況が多いと思う」とした上で、「フランスだと、純也君のような割と特徴のある選手の方がもしかしたらフィットするのかな。1対1の場面が多いので、そこで勝つ選手が重宝されると思う。逆に僕のようなスペースを見つける能力や、ターンして攻撃に繋げる(タイプは厳しい)」と、スタッド・ランス所属MF伊東純也を比較対象に挙げていた。オファー次第ではあるが、自身のプレースタイルにフィットするようなクラブやリーグへの移籍を選択する可能性も考えられる。