自民党総裁選挙は、相当、質の高い候補が多くいて、目移りしそうなくらいだったが、残念ながら、石破茂氏と小泉進次郎氏という資質的にもっとも問題がある候補と、資質は悪くないが支援者たちが極端すぎて不安がある高市早苗氏の3人の争いとなる茶番劇。そして、選ばれたのは、これまで、何度も拒否されてきた石破氏だった。

小泉進次郎氏・石破茂氏・高市早苗氏インスタグラムより

石破氏は、外交能力が著しく低い。今回の総裁選では、立候補した9人のうち7人が米国留学経験者で、加藤勝信元官房長官(68)も英会話に問題ないようだ。

ただ一人、石破氏は語学力に不安が指摘されており、話が長すぎて外国人に嫌われそうだ。特に、気が短いドナルド・トランプ前米大統領が相手では、5分で電話を切られかねない。サミットでは迷惑がられそうだ。

ともかく、トランプ大統領が復帰したらとか、G7のようなマルチ(多国間外交)での振る舞い、演説の明快さの不足など大急ぎで改善すべきだ。石破氏が今いちばんすべきなのは、一日に何時間か英語のレッスンを受け、外国人との社交術についてよい先生をつけ、外国人とたくさん会うことだ。それをなりふり構わずして欲しい。

石破氏は、「地方創生と防災」を看板にしながら、その内容がお粗末過ぎる。竹下登元首相以来の「村おこし的な手法」に効果がないことは、石破氏と竹下氏の地元である鳥取県や島根県の人口激減で明らかだ。その反省も見えない。

地方に隙間狙いの自助努力を求める里山資本主義に基づくようだが、市場規模が小さいから、地方同士で無駄な競争をさせるだけだ。

石破家は、1958年に父の二朗氏が知事になってから66年間、鳥取県政界を牛耳ってきたが、その路線が東京一極集中という基本構造を変えるのに無力なことは、石破氏の地元である鳥取県や竹下氏の島根県の人口減で立証済みだ。

また、味方に後ろから弾を撃つような手法への恨みは大きい。