想像上の友人、いわゆる「イマジナリーフレンド」が暴力を振るうことがあるという。世にも奇妙な物語にありそうなエピソードではあるが、今回はそんな実話を紹介しよう。かつて超常現象情報サイト「The Horror Movies Blog」で人気のパラノーマル研究家ナディア・ヴェラさんが、自身の子ども時代を回想している。
■想像上の友人がバスルームで“暴行”
当時、私は8歳で、祖母と母と共に村外れの古い館に住んでいました。子どもなら誰しも経験があると思うのですが、ご多分に漏れず、私にも“想像上の友だち”がいました。彼女の名前はルーシー。亜麻色の髪をポニーテールに束ね、射るようなグリーンの瞳を持つ魅力的な女の子でした。彼女は自分のことを11歳で「この家は私の家」だと言っていました。
私たちは18世紀初頭に建てられたビクトリア朝の古めかしい館の中を、探検して回るのが好きでした。子どもにありがちなイマジネーションの塊で、ありもしないことを作り出しては二人して嬉々とし、ルーシーが話してくれたことは全部、祖母や母に伝えるといった塩梅でした。
ただ、ルーシーは非常に独占欲が強く、私のことを徐々にコントロールしていったのです――。
母が夕食の時間に呼びに来ても帰ることを許してくれず、自分を1人にしないよう要求するようになりました。それでも帰ろうとすると癇癪を起こし、オモチャを投げつけたり、髪の毛を引っ張ったり。しまいには、私に暴力を振るい始めたので、腕や脚にはアザができるようになり、さすがに母も気味悪がりだしました。
事件が起きたのは、私が9歳の誕生日を迎える直前でした。その日、ルーシーは朝から機嫌が悪く、入浴していた私に突然激怒しました。私の髪をひっつかみ、バスタブに沈め溺れさせようとしたのです!
喘息のある私は息ができなくなり、手足をバタつかせ泣き叫びました。その悲鳴を聞きつけた祖母が、急いで浴室に飛び込んだときは、孫娘の惨状を目の当たりにして気を失いかけたといいます。
翌日、母はエクソシストを家に呼びました。とにかく、不吉なものを取り除きたい一心で……。屋敷には聖水が振り撒かれ清められたのを覚えています。すると、ルーシーのクスクス笑いが聞こえてきました。そして、耳元で囁いたのです。
「さよなら、ナディ。ほんと楽しかったわ。寂しくなるわね」