ハリウッドにはさまざまな組合とその関係者が存在する。たとえばSAG-AFTRA(映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟)、DGA(全米監督組合)、IATSE(国際映画劇場労働組合)などは日本でもよく知られている組合である。
去年、映像作品のAIの利用や報酬の引き上げなどを巡って大規模ストライキを起こしたのはSAG-AFTRAだ(参照:NHKニュース)。有名俳優もこうした組合に加入しているため、映画配給会社は報酬に関する彼らの意向を無視することはできない。
そんななかWrapbookでは、組合との取り決めに応じた報酬を支払う取り組みを行っている。給与計算の専門家によって設計されたWrapbookの給与計算エンジンにより、多数の組合協定にわたる支払いプロセスを簡素化している。
例えば、SAG-AFTRAレート(特定の作品に対して出演者に支払われるべき最低金額)に準拠した給与の見積もりが可能だ。SAGレートは多くの場合、プロジェクトの種類、予算の制約、配給計画によって決まるため料金の計算が難しいのだが、Wrapbookでは出演者のタイムカード情報をもとに、給与を自動的にリアルタイムで計算する仕組みであるため安心だ。なおSAG-AFTRAのほかにもDGA、IATSE、Teamstersの給与計算もサポートしている。さらに、Wrapbookの給与計算は労使担当者がチェックしているため、正確性・信頼性が期待できる。Wrapbookの公式サイトで発表されている労使担当の専門家は4人。いずれもエンターテインメント業界での契約交渉分野に長年携わっている人物たちのようだ。
2,000万ドルの資金調達を完了
Wrapbookは2021年にシリーズBラウンドで1億ドルの資金調達に成功した。現時点で1,000社以上の映像制作関連企業と契約しており、17万5,000人以上のスタッフのプロファイルがプラットフォームに掲載されている。