気配り、目配り、心配りでは不十分。言葉配りも意識して
本書には、最近の若手社員を理解し、上司や先輩層との間にある溝を埋め、職場にとって貴重な若い力を伸びる環境をつくるヒントがたくさん紹介されています。
今回は第3章「若手社員は『肯定』と『言語化』で自ら動き出す」よりポイントをいくつか挙げてみましょう。
1.「言語化と客観性」で丁寧に教える
「つべこべ言わずに」「黙ってやれ」では通用しない時代。いまの上司や先輩に求められるのは「しっかりと言語化して若手社員に説明するスキル」。
ただお願いするのではなく「何のために、この仕事があるのか?」を理解できると若手社員の動き方は変わると伊藤さんは説いています。「仕事に求められる価値」を丁寧に伝えることで、若手社員は自分のやるべきことを明確に理解し、行動に移せるというわけです。
2. タメ口ではなく、部下にも丁寧語で
伊藤さんがすすめているのは、上司は部下に対して丁寧語を使うということ。何も尊敬語や謙譲語を使う必要はありません。「大丈夫だよな」は「大丈夫ですか?」に。「いま、いい?」は「ちょっといいですか?」といった具合です。
また「おまえ」「おまえら」は論外。若手に声をかけるときは「さん」。「くん」やニックネームがあるならそれでもOK。若手社員全体に呼びかけるなら「みなさん」です。
「言葉づかいで上下関係を示す必要はない」と伊藤さん。
言葉づかいひとつで、品性のある職場に変わります。若手社員の萎縮や遠慮がなくなり、質問や相談が活発になってきます。あからさまな主従関係が解消されることで、若手社員を1人の人間として認める適切な距離感が生まれます。
(『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです』132ページ)
3.「困ったら何でも言ってね」はNGフレーズ
「ご不明点がありましたらいつでもご連絡ください」といったメールの常套句があるように、部下に何かをひととおり説明したあとに「困ったらいつでも何でも言ってね」とつけ加えることもあります。これもNGなのですね。
その理由は「いつでも」「何でも」があいまいすぎるから。具体的に伝えないと「いまでもいいのだろうか」「こんなことを聞いても大丈夫だろうか」「聞く内容自体が間違っていたらどうしよう」と不安になってしまうのだそうです。
この場合の対処法は、若手が聞きにくるのを待つのではなく、上司から働きかけること。「さっき教えたチェックの方法でわからないことはないですか?」「どのへんまで進んでいますか?」と声をかけるほか、「明日のお昼までにやってみてわからなかったら、また聞いてください」などと期限を設けるのもいいかもしれません。
「気配り、目配り、心配り」だけでは若手社員には不十分。「言葉配り」も積極的におこなうべきだと伊藤さんは語っています。
はじめは「若手社員のやる気を引き出し、力を伸ばすこと」を目的としていた部下への声かけも、まわりまわって自分の仕事の進めやすさにつながっていくことになりそうですね。
そして部下に本気で関わることで、自分にとっても学びが多いことに気づくはず。仕事のおもしろさや自己実現の喜びをお互いに感じられたら、こんなにうれしいことはありません。
部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す
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Source: 日本実業出版社
ライフハッカー・ジャパンより転載
(文/・LIFEHACKER)
提供元・Sirabee
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