歴史的な背景によって、地図から消された都市や秘密裏に造られた施設は世界中に点在している。今回は、公に明かされてこなかった“秘密の都市”を5つ厳選してご紹介しよう。
■オークリッジ
第二次世界大戦中の1942年、連合軍は原子爆弾を完成させる“マンハッタン計画”に着手。計画を進めるため、アメリカ・テネシー州東部のノックスビルにある都市オークリッジに目をつけた。アメリカ軍は、司令部を設置するためオークリッジの土地56,000エーカー(23,000ha)を秘密裏に取得。オークリッジには、巨大なウラン濃縮工場が建設された。
街には数万人の労働者とその家族が収容されていたが、周囲は柵で覆われ“秘密の都市”に。労働者にはやるべき仕事が与えられたが、原子爆弾が投下された1945年まで自らが作っていた“製品”の性能を知らないままだったという。現在のオークリッジは“シークレット・シティ”や“アトミック・シティ”と呼ばれている。
■オゼルスク
ロシアのチェリャビンスク州にあるオゼルスクは、現在も閉鎖都市として世界的に有名な土地。旧ソ連はこの場所を核兵器計画の拠点地として利用し、地図から削除した。そして、そこに住んでいた何万人もの人々は存在を消され、街の外で住所を明かすことを禁じられていたという。
この“削除された街”にあるマヤーク核技術施設では、1957年に原子力事故“ウラル核惨事”が発生。ソ連はこの事故を極秘にしたが、ソ連から亡命した科学者ジョレス・A・メドベージェフがイギリスの科学誌『ニュー・サイエンティスト』に発表した論文で明らかに。深刻な放射能汚染の被害を受けたオゼルスクだが、2002年の調査では9万人以上の居住が確認されている。
■ヴュンスドルフ
第二次世界大戦直前の1939年に、ドイツ・ベルリンの南から24kmのヴュンスドルフに国防軍最高司令部の本部が移された。国防軍最高司令部とは、最高司令官であるアドルフ・ヒトラーが国防軍を直接指揮するために1938年に創設された組織。ヴュンスドルフにある巨大な地下施設は、“Maybach Ⅱ”(マイバッハⅡ)という秘匿名称で呼ばれることに。
第二次世界大戦でドイツが敗北すると、マイバッハⅡは東ドイツ赤軍の本部になった。しかし、1940年後半ロシア軍によって爆破されてしまう。現在も廃墟の状態で保存されているマイバッハⅡの庭には、今なおウラジーミル・レーニンの銅像がそびえ立っている。
■キャンプセンチュリー
冷戦下の1959年には、アメリカ陸軍がグリーンランドの厚い氷の下に軍事基地・キャンプセンチュリーを建造している。雪原の下に張り巡らされた地下トンネルには、研究所だけでなく病院や映画館、教会などあらゆる施設を完備。電力の供給には、移動式の原子力発電装置が使われていた。
この秘密基地は、グリーンランドに核ミサイル発射基地を設置する“プロジェクトアイスウォーム”の一環として造られたもの。しかし、不安定な氷の状態によって同計画は頓挫し、キャンプセンチュリーは1967年に閉鎖。兵士たちは原子力発電の反応装置箱だけを持ち帰った。しかし、近年になって地球温暖化の影響でキャンプセンチュリーが地表に露出し、汚染物質が漏れ出す恐れが指摘されている。
■バーリントンバンカー
2004年、イギリス国防省のサイトに「核戦争の際に移転先として準備されていた元秘密地下施設の機密扱いを解除する」という文章が掲載された。この一文によって、およそ40年間ひた隠しにされてきたイギリス軍の最重要機密“バーリントンバンカー”の存在が公に。この秘密地下施設には、核戦争が起こった場合4,000人の政府職員が逃げられるようになっており、90日間生き抜くために必要なものが備わっていた。
施設内には、首相のメッセージを伝えるBBCのラジオ局も備わっており、1991年までメンテナンスされていたという。しかし、維持に費用がかかりすぎると見なされ、2004年に閉鎖。2005年に公開された内部の写真には、施設内に取り残された未使用のコーヒーマシンやオーブン、固定電話などが写されている。
参考:「LISTVERSE」、ほか
※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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