1966年、あの愛すべきポール・マッカートニーが交通事故で亡くなり、そっくりさんに取って代わられたという衝撃の都市伝説が世界中を駆け巡った。この驚くべき都市伝説は、1969年9月にアメリカの大学キャンパスで火がついたとされている。まるでミステリー小説のように、ビートルズのアルバムの隅々に秘密のメッセージが隠されているとされ、熱心なファンたちは探偵さながらに証拠探しに奔走した。当記事ではこの奇妙な都市伝説を紹介する。
伝説の始まり:ヤバい噂が飛び交う
この都市伝説は1966年の終わり頃、まるで雑草のように勝手に生えてきた。なんでも、ポール・マッカートニーが交通事故で死亡し、イギリスの諜報機関MI5の協力のもと、ビートルズが彼にそっくりな人物と入れ替えたという。まさに、スパイ映画も顔負けの展開である。この噂は、ビートルズのアルバムや歌詞、ジャケット写真に隠された「手がかり」から広がり、特に1969年9月以降、アメリカの大学生たちの間で野火のごとく広まった。
初期の目撃情報:大学新聞が火付け役に
1969年9月17日、アイオワ州デモインのドレイク大学の学生新聞「ドレイク・タイムズ・デルフィック」の編集者ティム・ハーパーが、「ビートルズのポール・マッカートニーは死んでいるのか?」という衝撃的な記事を発表した。この記事には、ビートルズのアルバムに隠された手がかりとして、「ホワイト・アルバム」のトラック「レボリューション9」を逆再生すると「Turn me on, dead man(私を興奮させて、死んだ男)」と聞こえるというものが含まれていた。これを聞いたファンたちは、まるでレコードプレイヤーが壊れるのではないかというほど、熱心に逆回転させていたという。
噂の拡散:メディアも大騒ぎ
10月10日、ビートルズの広報担当デレク・テイラーは「ポール・マッカートニーが死んだという報道について多くの問い合わせが来ている」と述べた。まるで、ポールの生死確認が彼の仕事になってしまったかのようだ。これに対し、当のポール・マッカートニーはスコットランドの農場で家族とともに平和に過ごしており、「私はまだ生きているよ」とメディアに語った。しかし、彼の言葉でさえも噂を止めるには至らなかった。
さらに広がる噂:ラジオと新聞が拍車をかける
10月12日、デトロイトのラジオ局WKNR-FMに電話をかけたリスナーが、この噂と手がかりについて熱く語った。これを受けて、ミシガン大学の学生フレッド・ラボアが「マッカートニーが死んだ」という衝撃的な見出しの記事を「ミシガン・デイリー」に掲載した。この記事は、アビー・ロードのジャケット写真を含むビートルズのアルバムカバーに隠された手がかりを示唆していた。例えば、アビー・ロードのジャケットでポールが裸足で歩いているのは、死者は靴を履かないから、などといった具合だ。これらの「証拠」を見た人々は、まるでダ・ヴィンチ・コードを解読するかのように熱中したのだ。
メディアと公の反応:噂は止まらない
ビートルズの広報事務所は必死にこの噂を否定し続けたが、ポール・マッカートニーが公の場に現れないことが、かえって噂の拡散を助長した。ラジオ局WMCAとWABCはこの噂を大々的に取り上げ、特にWABCのロビー・ヨンジは噂を一時間以上にわたってオンエアで議論した。まるで、ポールの生死が世界平和にかかわるかのような熱の入れようだったようだ。
ポール・マッカートニーの反応:「私はまだ生きているよ!」
10月24日、BBCラジオの記者クリス・ドレイクがついにポール・マッカートニーにインタビューを敢行。ポールは「この噂は馬鹿げている」と述べ、家族とともに静かな生活を送っていることを強調した。しかし、一部のファンは「これは偽物のポールだ!」と主張し続けた。まるで、ポールの存在そのものがシュレーディンガーの猫のような状態に陥ったかのようだ。
伝説の影響とその後:ビジネスチャンス?
1969年11月、キャピトル・レコードの販売マネージャーは、この噂がビートルズのアルバムの売り上げに大きく貢献していると報告した。特に「アビー・ロード」はアメリカで過去のアルバムを上回る売り上げを記録した。噂を題材にしたテレビスペシャル「ポール・マッカートニー:完全な物語、初めてそして最後の語り」も放送され、これにより噂はさらに広まった。まさに、「悪い噂も宣伝」という言葉を地で行く展開となった。
永遠に語り継がれる都市伝説
「ポールは死んだ」という都市伝説は、ビートルズのファンやメディアに大きな影響を与えた。この噂は、アルバムカバーや歌詞に隠された手がかりを探す楽しさから始まり、多くの人々がこの都市伝説に夢中になった。ポール・マッカートニー自身も、この噂をジョークとして取り上げ、自身のアルバム「ポール・イズ・ライブ」でパロディ化した。まさに、「噂の火に油を注ぐ」作戦だ。この都市伝説は、現在でも多くの人々の間で語り継がれている。
参考:Wikipedia、ほか
文=青山蒼
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提供元・TOCANA
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