古代の地球観をあらわす図画として、地球の大地を数頭のゾウが背中で支え、そのゾウは巨大な亀の甲羅の上に乗っているという興味深いビジュアルがあるのだが、一説によればこれは古代の世界観の比喩的表現であるという――。
■ゾウとカメに支えられた地球の謎
地球がゾウの背中の上にあり、そのゾウが巨大なカメの上に立っているという世界をどう解釈すればよいのか。
オルタナティブメディア「Soul:Ask」の記事によれば、このイメージの構図には約3億年から2億年前にかけて存在していた超大陸「パンゲア大陸」が表現されているという。この巨大なカメはパンゲア大陸であるというのだ。
ヒンドゥー教の神話では、ヴィシュヌ神が巨大なカメに変身してこの世界を支えたストーリーがある。このカメは世界を縁の下で支える頼もしい存在であったことになる。
一方、北米インディアンの伝承では、地球が巨大なカメの甲羅の上で佇んでいると解釈し、やがて亀が成長して地球を宇宙に運ぶと考えられていた。注目すべきことに、これらのインディアンにはカメに関連した土地を表す言葉があり、彼らはそれを「タートルアイランド(亀島)」と呼んでいるということだ。
また別の神話では、地球はカメとゾウではなく、3頭のクジラによって支えられている描写があるという。ただしカメにしてもゾウにしてクジラにしても、物語の象徴的な存在であることからその解釈には幅あり、いずれも同じ意味を持つ存在であるかもしれない。
地球を支えているゾウ、あるいはクジラは通常は3頭であり、3頭のゾウは過去、現在、未来という時間を象徴的に表すことができ、カメは空間を表しているとの説もある。空間と時間は相互に依存しており、地球が宇宙に出現したことで時が刻まれるようになったとの解釈もあるようだ。
古代文明は我々の想定よりも地球について複雑な理解を持っていたとしても不思議ではなく、彼らは地球と太陽系を広範囲に調べて深く理解していたかもしれない。
古代の神話を詳しく調べると、人類の歴史には過去に高度な文明が存在していた可能性があり、それらの高度な知識と技術がどこかの時点で失われた可能性もあることが示唆されている。
パンゲア大陸が存在していた頃の地球には我々とは起源が異なる知的生命体の文明が繁栄を遂げており、その知恵の一部を新興の人類である我々に伝えたのではないかとの壮大な仮説も考えられなくはない。
実際、カメは古代の賢者が宇宙の法則を解明するために用いた比喩であったともいわれており、高度な先進文明が幼い子供に諭すようにして我々人類にこの地球と宇宙の実像をわかりやすく絵に描いて説明したのが、このゾウとカメに支えられた地球というビジュアルだったのかもしれない。
古代の先進文明が今の我々よりも賢かったのだという視点に立てば、これらの古代のビジュアル表現はずいぶん違ったものに見えてきそうだ。
参考:「Soul:Ask」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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