そこにいる霊的存在を否応なく“見てしまう”という、いわゆる“霊感”の強い人々の話を耳にすることがあるが、UFOについても“見てしまう”人々は何度となく目撃しているのだろうか。そしてUFOをよく見る人物には何か特徴的な性格特性があるのだろうか。
■UFOをよく見る人物の性格特性とは?
人生の中でUFOを一度も見たことがないという者は少なくない一方、何度となく目撃していると報告する人々もいる。そうした人物は性格特性において何か特徴があるのだろうか。
英カーディフ・メトロポリタン大学の研究チームが今年4月に「Journal of Scientific Exploration」で発表した研究では、UFOを目撃したことのある者とない者に、性格特性に違いがあるかどうかを検証していて興味深い。
心理学における「ビッグファイブ」は、性格特性においてそれぞれ「開放性(Openness)」、「誠実性(Conscientiousness)」、「外向性(Extraversion)」、「協調性(Agreeableness)」、「神経症的傾向(Neuroticism)」の5つの因子から性格特性を浮き彫りにする理論であり、現在の心理学で最も一般的に使用されている性格モデルでもある。
これまでにUFOを見たことがあると自己申告した103人を含む計206人がビッグファイブ診断テストを受けたのだが、その性格特性により3つのグループに分けることが可能であった。
グループ1は平均的な特性を持つグループである。
グループ2は神経症/統合失調症グループと呼ばれ、神経症傾向と統合失調症特性が高かった。
グループ3は「O-ACE」と呼ばれ、開放性、誠実性、外向性、協調性は高く、神経症傾向と統合失調症特性が低かった。
UFOを目撃した者が最も多かったのはグループ3の「O-ACE」であったが、その差はわずかなものであった。
それでも誠実でメンタル面でも健康な「O-ACE」グループの人物が多くUFOを見ていたことは意外といえる結果であった。これまで一般的に、UFOを見る者は感情的で神経症的であり幻覚を見やすい性格特性であると思われてきたからだ。つまりUFOを多く見ているのはきっとグループ2だと思われていたのだ。
意外にも誠実な人物がUFOを目撃していることについて、研究チームのダニエル・スタッビングス氏は「私の推測では、誠実性の度合いが高い人々は、何かを見たことを自分自身で認めることが正しいことだと信じている可能性が高いのかもしれません」と米メディア「The Debrief」に説明している。つまり誠実な人物は信じられないものを見た時、幻覚や錯覚としてやり過すのが難しいのかもしれない。
「私たちのデータは、(誠実性とUFO目撃に)わずかな統計的関係があることを示していますが、その関係が存在する理由をさらに調査する必要があります」とスタッビングス氏は今後さらに研究を深めていくことを示唆している。
スタッビングス氏はビッグファイブで測定していない要素として“信念(belief)”も鍵を握っていることを指摘している。つまりUFOの実在を信じている者は、そうでない者に比べてやはりUFOを見やすいのである。
「言い換えれば、人々が UAP(UFO)を見るのは、そこにあるからではなく、性格の傾向に影響される信念の確信のためです」(スタッビングス氏)
ともあれUFO現象に対してこのような心理学的アプローチが加わったことはUFO研究における前進と見なすことができるだろう。今後の研究の進展に期待したい。
参考:「The Debrief」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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