「挙手による感謝」を避けてしまう社会的背景
ここまでの話を受け、筆者が周囲の女性ドライバーから意見を募ったところ、以下のような話を聞かせてくれた方がいました。
「すれ違いや右折待ちで譲ってもらったときは、相手から見えやすいように手を挙げていますが、無意識に『なるべく偉そうにならないようにしよう』としているところはあると思います。のけぞって手を挙げると偉そうなので、なるべく縮こまりながら、俯き加減でしおらしく見えるようにする、というか。
こういうのは運転中に限ったことではなく、普段から『相手の反感を買わない振る舞い方』を無意識に心がけている人は多いんじゃないかと思います」(30代女性・会社員)
こうした話からも、女性ドライバーを中心に「手で感謝を伝えるのは偉そうに思われる」という躊躇が生じていることが窺えます。このことは運転中に限らず、日常的なジェンダー意識にも関わる問題として捉える必要がありそうです。
また、ジェンダー問題のほかにも、格差や属性の違いをめぐる感情が運転中の意識に影響を及ぼすケースは少なくありません。たとえば「軽自動車に抜かされるとイラッとする」など、格差をめぐる感情がトラブルの火種となるケースも見られます。
このように考えると、「安全で円滑な交通環境」と、「属性の違いに対する社会的な先入観を廃すること」は、実は地続きの問題なのかもしれません。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて