このたび、日本各地の名山と秘湯を紹介するコラムの連載を行うことになりました。登山の後に素晴らしい温泉でリフレッシュできる旅を、多くの方に気軽に楽しんでもらえるような内容をお届けします。
第1回目は、高山植物が美しく咲く乗鞍岳と、癒しの奥飛騨温泉郷をご紹介!手軽に登れる高山と、そのふもとにある秘湯の魅力を存分にお伝えします。
日本一登りやすい百名山の1つ「乗鞍岳」
登山愛好家のバイブル・日本百名山の中で、最も登りやすい山の1つだと言われているのが北アルプスの「乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)」です。その一番の理由は、登山口の立地にあります。
登山口があるのは、標高約2,700mの畳平。乗鞍ライチョウルート(岐阜県側:乗鞍スカイライン、長野県側:乗鞍エコーライン)が通じており、バスでアクセスすることができるのです。
麓から何時間かけて登山する必要はなく、バスを降りればそこは高山の世界。夏の最盛期には色とりどりの高山植物が咲き誇り、雲に手が届きそうな登山道が続きます。少し散策をするだけでも非日常な体験です。
岐阜県側の乗鞍スカイラインは長らく通行止めでしたが、2024年中に復旧の目処が付いています。岐阜と長野どちらからでもアクセスしやすいのも魅力の一つと言えるでしょう。
乗鞍岳のコース概要と魅力
乗鞍岳のうち、最高峰の剣ヶ峰を目指すルートは1つのみ。畳平から肩ノ小屋までゆったりとした道を進み、そこから山頂まで火山らしい岩場の道を登ります。往復3時間ほどです。
7月〜8月には高山植物が一気に咲き誇ります。特に、畳平のお花畑や不消ヶ池の周辺の彩りが見事です。高山植物の女王と呼ばれるコマクサも咲いているので、ぜひ探してみてください!
肩ノ小屋から剣ヶ峰山頂までは本格的な登山道が続いていきます。登山道は滑りやすい岩場のため、足元を確認しながら慎重に進みましょう。一部、道幅が狭い箇所もあるので、道を譲り合う配慮ができると良いですね。
山頂周辺まで来ると、長野県側の乗鞍高原の雄大な景色や、穂高連峰のダイナミックな山塊を望みます。思わず引き込まれるような360度の大パノラマを味わうことができますよ。
乗鞍岳
住所:岐阜県高山市丹生川町岩井谷
TEL:0577-78-2345(飛騨乗鞍観光協会)
※毎年7月〜10月まで畳平までバス運行
野趣ある露天風呂が多くある「奥飛騨温泉郷」
乗鞍岳の魅力の一つは、下山後に山々に囲まれた秘湯を楽しめることです。山麓には、5つの温泉地からなる奥飛騨温泉郷が広がっており、温泉の湧出量は毎分毎分37,000Lと国内で3番目の多さを誇ります(日本温泉協会「温泉統計」より)。
そしてなんと言っても素晴らしいのは、開放感と野趣ある露天風呂が多くあること。旅館のお風呂から共同露天風呂まで湯めぐりしたい、絶好のロケーションの温泉が満載です。
登山後に訪れたいイチオシは「平湯の湯」
中でも筆者イチオシのお湯が「平湯の湯」。合掌造りの資料館・平湯民俗館に併設した、平湯温泉を代表する共同露天風呂です。野趣あふれる岩造りの浴槽に、源泉がかけ流しで供給されています。
泉質は炭酸水素塩泉(ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉)。鉄分の香りを感じる濁り湯で、肌に染み渡るとろとろとした美人泉質です。
お湯の気持ち良さも格別ながら、訪れるたびにお湯の色が変わる点もポイント。赤褐色のときもあれば、エメラルドグリーンのときもあります。まさに自然の神秘を感じられるお湯です。
いかがでしたでしょうか。思い立ったら日帰りでも標高3,000mの高山と温泉を満喫できる「乗鞍岳」。登山初心者こそおすすめです!
平湯の湯
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯24
営業時間:夏期 6:00~21:00/冬期8:00~19:00
定休日:無休
TEL :0578-89-3339
文・写真・土庄雄平/提供元・たびこふれ
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