黒坂岳央です。
先日、保護者会の集まりの際、「最近、とにかく物価高で家計がきつい!」という話題になった。物価高対策でそれぞれやっている節約術を話しだしたので興味があって耳を傾けてみたが、正直どれもずれた努力になっておりやはり金融教育は大事だと痛感した。
3つほど各々から出たアイデアは、どれもまったく抜本的対策になっておらず逆に貧しくなる。持論を述べたい。
対策1. タイミーでWワーク最近、タイミーでサクッと仕事をするという新たな働き方が注目を集めている。従来は週末にバイトをしたり、派遣で日雇いの仕事をする人も多く、筆者の会社でも夏と冬の繁忙期は毎日派遣の人に来てもらっている。だが、これには派遣会社や採用元への面接が必要になる。突発的に空いた時間に働くということができない。
一方でタイミーなら、面接なしでパッと来てパッと働くことができてしまう。話を聞いてみると皿洗い、配送、清掃といったハイスキルを求められない業務が中心のようである。自分はタイミーで苦しい家計を支える「苦肉の策」をバカにするつもりなどない。目先の支払いで働かざるを得ない人がいる事実は理解している。
だが「物価高への対策」としては、必ずしも有効性は高いとは言えないだろう。なぜなら働ける時間は限界があり、タイミーで働くことで持ち時間は確実に減ってしまうからだ。保護者たちは自分を除いて全員30代とまだ若く、今すぐやるべきは本業の収入を増やすスキルアップと転職だろう。時間単価をアップさせれば、時間を失わず総所得を増やすことができる。
対策2. 宝くじを買う家計が苦しい中、捻出した1万円を使って宝くじを買っているという人がいた。だが、これは本人が考えるような効果は期待できない。宝くじの控除率はおおよそ50%で負ける確率が非常に高いギャンブルである。いや、他のギャンブルよりさらに悪い。しかも外れた場合は1円も返ってこない。やればやるほど、統計的に負けに収束するゲームだ。だから資産を増やすために買うことは論理的に間違っていると断言できる。