宮城県石巻市のJR東日本鉄道橋にて、夜間や日中における鉄道橋の視認性向上と衝突抑止を目的とした「高輝度蓄光による空間演出を活用した安全対策」が始動しました。

当該対策に活用されるのは、高輝度蓄光ユニット。JR東日本スタートアップ株式会社による実証実験では、株式会社humorousの空間演出プロジェクト「ナイトコンシェルジュ」のオリジナルデザインを現地に施工し、周辺構造物の視認向上の対策検証が行われます。

鉄道橋事故の削減に向けた取り組み

現在、JR東日本の管轄内にはおよそ1万5千の鉄道橋が存在しており、鉄道橋の下を通過するドライバー向けて看板等で高さ制限を告知するなどの事故対策を行っているそうです。

しかし、ドライバーがその存在を認識せずに通過するため、多くの鉄道橋衝突事故が発生しているのが現状だといいます。

こうした事故が原因で発生する「鉄道の運行停止」や「復旧作業に掛かる労力」などの課題対処のために、鉄道橋や防護工など周辺構造物の視認向上の対策が必要だとし、この度の実証実験へと至ったとのこと。

高輝度蓄光技術によって、特に夜間や霧発生時、雨天時など視界が悪い状況における視認性が向上することが見込まれるだけでなく、狭まる道、迫る空頭を視覚的に演出することで無理な通過を抑止する効果も期待できるとしています。

事故防止以外のメリット

高輝度蓄光を利用した安全対策には、事故防止以外にもメリットがあげられます。

発光に必要なユニットの設置作業は「貼るだけ」で完了するため、工数の掛かる電気工事の必要も無く、施工労力やコストが掛かりにくいのだそうです。

また、東京都中野区の中野駅新北口駅前エリアでは、工事現場の壁面において同ユニットを設置。夜間に発光する魅力的なアート空間へと変身させる試みも行っています。

JR東日本鉄道橋の実証実験では、通行車両の進入・通過速度や通過ルートの変化、既存の照明インフラ等を含めた対策におけるコスト対比などを検証予定とのこと。