高校の卒業アルバムは思い出以上の意味を持っているのかもしれない……。

 この度、学術誌Social Science & Medicineに掲載された新たな研究によると、高校の卒業アルバムの写真の印象が最も魅力的でないと評価された人々は、そうでない人々と比較して寿命が短い傾向にあることが判明した。特に魅力度が最下位の6分の1に位置する人々は、有意に高い死亡率を示したのだ。

研究結果と考察

 研究の結果、高校時代の写真で魅力度が最も低いと評価された人々(魅力度スケールの下位6分の1)は、平均的な魅力度の人々と比較して、有意に高い死亡リスクに直面していることが判明した。

 具体的には、最下位の6分の1に位置する人々は、中間の4つの6分の1に位置する人々と比較して、16.8%高い死亡のハザード比に直面していた。ここでいうハザード比とは、ある時点での死亡リスクの相対的な比率を示す指標である。つまり、魅力度が低いと評価された人々は、平均的な魅力度の人々よりも約17%早く死亡する可能性が高いという統計的な傾向が示されたのである。ただし、これはあくまで集団レベルでの傾向であり、個人の寿命を直接予測するものではないことに注意が必要だ。

 興味深いことに、この研究では、魅力度が非常に高い個人と平均的な魅力度の個人の間で、死亡リスクに有意な差は見られなかった。これは、魅力的でないことが短い寿命と関連している一方で、非常に魅力的であることが平均的な外見の人々と比較して追加の長寿のメリットをもたらすわけではないことを示している。

研究の限界と今後の展望  この研究は包括的な性質を持つものの、いくつかの限界がある。例えば、サンプルがウィスコンシン州の高校卒業生のみで構成されており、全体の人口を代表していない可能性がある。また、サンプルは主に非ヒスパニック系白人で構成されており、異なる人種や民族グループ間での結果の一般化可能性が限られている。

 今後の研究では、より多様なサンプルを用いてこの研究を再現し、美の人種的およびジェンダー的概念の影響など、交差的プロセスをよりよく理解することが望ましい。また、魅力的でないことが高い死亡リスクにつながる具体的な経路を探ることも価値があるだろう。

 この研究結果は、外見の魅力が社会的不平等の一側面として重要であることを示唆している。しかし、真の美しさは内面にあると言われるように、外見だけでなく、人間性や生き方こそが、より豊かで長い人生につながる可能性があることを忘れてはならない。

参考:PsyPost

文=深森慎太郎

提供元・TOCANA

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