■博物館に寄贈された“ホッジス隕石”
アラバマ自然史博物館のコレクションマネージャーであるメアリー・ベス・プロンジンスキー氏はニュースメディア「Insider」に次のように語っている。
「彼女は重傷を負って入院する必要があったためではなく、本件にまつわる事象全てによって不調をきたし病院に運ばれました。彼女はとても神経質な人で、周囲の人全員が好きというわけではありませんでした」(プロンジンスキー氏)
プロンジンスキー氏によると、彼女は隕石がラジオで跳ね返ったことで大怪我を免れた可能性があるということだ。
「屋根を通り抜けて弾速が遅くなったという事実と、ラジオで跳ね返ったという事実。もし彼女がラジオの下に横たわっていたら、足や背中を骨折していたでしょう。命を奪われるまではなくても、もっと多くのダメージを受けたはずです」(プロンジンスキー氏)
彼女の名前を冠して“ホッジス隕石”とも呼ばれるようになったこの隕石は、詳しい調査にやって来た米空軍に一度は没収されたという。しかし、それに納得がいかないボッジスさん夫妻と大家のガイ・バーディー氏は長い訴訟のプロセスを闘っていくことになる。
当時、ホッジスさんは次のように述べている。
「訴訟は私があれ(隕石)を手に入れる唯一の方法です。神は私のために隕石をもたらしてくれたのだと思います」(ホッジスさん)
最終的には大家のバーディー氏が500ドルの費用をかけて訴訟を解決し、隕石はホッジスさんの手に渡ることになった。
しかし、残念ながらこの時点で“ホッジス隕石”に対する社会的関心は衰え、彼女はそれにふさわしい買い手を見つけることもできず、結局は1956年に隕石をアラバマ自然史博物館に寄贈している。
その後、1972年にホッジスさんは腎不全のため52歳で亡くなった。世界で唯一、“隕石に当たった人”として記録に残されているホッジスさんの晩年は、残念ながらあまり恵まれたものではなかったようだ。広い意味で、それが隕石による影響だったとすればやるせない限りである。
参考:「Daily Star」、「Insider」、ほか
※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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