山口敏太郎の所有する呪物として、最も有名なものといえば「呪い面」だろう。

 関西のとある骨董品屋で入手したというその面は、見立てでは明治もしくは大正ごろに作られたものか、あるいは実際に目にした人物の印象では海外の部族が使用していたものではないか、と様々な説が挙げられている。面そのものは、目の部分に二ヶ所穴が開けられた状態で、口元は歪んだ形になっている。

 呪い面にまつわるいわくはいくつもあり、この呪い面を誌面のネタにしようと企画したとある雑誌の編集者が階段から落ちて負傷したり、呪い面を表紙に使用した雑誌社、この呪い面の騒動を記事にした会社が倒産してしまったりするなど、かなり呪力は強いようである。

 テレビ番組『奇跡体験アンビリーバボー』でも再現ドラマで紹介されたことで、呪い面については広く知られるところとなったが、当人曰く番組では演出によって設定が幾分か盛られているため、全てが事実というわけではないという。一方で、おおよその出来事についてはその通りであるとの事だ。

 さて、呪物であるこの呪い面だが、実はもう一つ山口敏太郎が所有する呪物の面がある。それは、通称「笑い面」と呼ばれているものだ。

 笑い面は、三つ目入道が描かれた文字通り笑っている面であり、ヤフオクで入手したものであるという。出品者からの情報によると、とある郷土玩具店で購入した面であったとのことだったが、入手後、保管していた部屋から笑い声のようなものが聞こえてくるといった正真正銘の呪物であった。

 呪い面は、山口敏太郎の知人の寺に預けられており、「祝い面」となるよう現在も供養が続けられているが、それでも怪現象がおさまる様子が無いとのことで封印状態となっている。そして、先の笑い面はこの呪い面と共に納められているというのだが、奇妙なことにそれ以来目立った怪現象が発生しなくなっているという。

 ひょっとするとお互いの呪力が相殺しているのではないか、と山口敏太郎は考察しているが、現時点では何事もなく平穏であるのだとすれば、結果的には良好な状態と言えるのかもしれない。因みに、千葉県銚子市にある大内かっぱハウスの2階に常設している「山口敏太郎の妖怪博物館」では、呪い面の写真が展示されているため、興味がある方は足を運んでみてはいかがだろう。

【参考記事・文献】

【山口敏太郎“秘蔵呪物”】呪い面と同等の力を持つ?呪物「笑い面」とは
(画像=『TOCANA』より 引用)

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文=ZENMAI(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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