■引っ越しの餞別にもらった「時計」

 このとき静江さんは第二子を妊娠していて、かなりお腹が大きくなっていたが、大阪市内で挙げた結婚式には3歳になる長男を連れて出席し、彼らの出立直前にも、子供の手を引き、餞別を届けに来てくれたという。
「これ引っ越し祝い。昭仁くん、田舎に帰ってん頑張りなっせ」
 静江さんから贈られたのは壁掛け時計で、円い文字盤の12・3・6・9のアワーマークに小さなピエロの飾りが付いていた。
「わあ、むぞらしか(可愛い)! ありがとう!」
「うちもたまには里帰りするけん、また連絡するばい」
「静江ちゃんも子育て頑張って。うちらもそのうち遊びにくるけんね!」