岡村大八 写真:Getty Images

 北海道コンサドーレ札幌所属DF岡村大八は、26日に行われた明治安田生命J1リーグ第25節・川崎フロンターレ戦でFWマルシーニョに対してスライディングタックル。VAR(ビデオアシスタントレフェリー)とOFR(オンフィールドレビュー)の末に一発退場となったことが話題を呼ぶ中、川崎OBの大久保嘉人氏が岡村を擁護。判定の妥当性について、川崎OBの森勇介氏と意見が分かれている。

 問題視されているのは、後半6分のシーン。DF車屋紳太郎が持ち上がって左サイドへスルーパスを供給すると、これにマルシーニョと岡村が反応。マルシーニョが先にボールに触れたものの、岡村のタックルを受けるとバランスを崩して転倒。主審は当初ノーファウルとジャッジしていた。

 しかし直後にプレーが止まったタイミングでVARが介入。主審はOFRの結果、DOGSO(決定的な得点機会の阻止)にあたると判断して、岡村にレッドカードを提示した。

 この退場シーンは、DAZN制作番組『Jリーグジャッジリプレイ』で議論の対象に。大久保氏は、「ファウルだとは思うけど、イエローでもないんじゃない」と切り出すと、元ストライカーという立場で以下のように私見を述べている。

 「このシーンだと、間違いなくディフェンスが滑って来ると分かっているので、ギリギリまで待っている。それでこのような(ドリブルでの)抜き方をする。これで一発退場となるのであれば、ディフェンスはスライディングできない。こっちはそれ(スライディング)を誘い出すので。(川崎戦だと岡村が)可哀想だなと思う」

 一方、ディフェンダーとしてプレーしていた森氏は、一発退場という判定は妥当だと主張。「マルシーニョが足を逃がさなかったら、スライディングが足に入っているので、コンタクトの方で一発退場になると思う。このシーンでスライディングをする必要はなかったと思う。(ディフェンダーの立場からして)ボールを奪えると思ってスライディングに行くけど、最近のサッカー見ていてスライディングにうまみを感じない」と、スライディングの技術にも言及している。

 なお元審判員の家本政明氏は「選手側からすると、『この程度の接触で退場になると、フットボールでは無くなる』という意見がある。ただこのシーンではコンタクトの強度ではなく、あくまでもコンタクトの状況が問われる。岡村はタックルに行ったけど、まずいと思って脚を畳んでいる。そのような素振りを見せるからこそ、なおさら『俺は何もしていない』と思う」と、岡村が一発退場という判定に納得できない背景を説明。

 「どちらかと言うと、DOGSOは成立する。ただ細かく見た時は、100%DOGSOではなく、議論の余地はある」と、自身の見解を述べた。