韓国のサッカー専用スタジアム、ソウルワールドカップ競技場を管理するソウル施設公団のずさんな芝管理を巡り、韓国のサッカーファンとK-POPファンの間に不満が生まれ、両者の対立が続いているようだ。
芝の状態に対する不満は以前から存在していたが、9月5日のFIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選韓国対パレスチナの試合(0-0)後、韓国代表キャプテンのFWソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)が芝の悪さについて「技術のある選手が芝生の劣悪な状態のためプレーが難しくなる」と述べ、公然と批判したことで問題が顕在化した。
サッカーファンとK-POPファンの対立の火種となっているのが、10月に同スタジアムで予定通り行われることが決まったシンガーソングライターIU(アイユー)のコンサートだ。IUのファンはコンサートを楽しみにしているが、サッカーファンは芝生のさらなる悪化を懸念。両者の批判の矛先は、ソウル施設公団の不十分な対応に向けられている。
公団は過去に芝の改善策を講じたが、昨2023年に行われた「世界スカウトジャンボリーK-POPスーパーライブ」で芝が著しく損傷し、その後もコンサートや試合が続いたことで復旧が進まなかったとされている。実際、公団はコンサートなどのイベントから巨額の収入を得ているが、芝の状態はほとんど改善されていないことで非難されている。
10月15日にはW杯アジア最終予選の韓国代表対イラク代表の試合も控えているが、その前に開催されるIUのコンサートが芝の状態をさらに悪化させる可能性が高い。ソウル施設公団は芝の復旧を進めると述べているが、対応が間に合うかは不透明な状況と伝えられている。