企業は生成メディアを活用したい一方で、数あるモデルのパフォーマンスを最適化し、運用コストを管理し、ニーズに合わせてインフラストラクチャを効率的に拡張することに苦労していると同社は指摘。falはこの課題解決のため、拡散モデル用の推論エンジンに注力し、開発者がオープンソースモデルにアクセスするための超高速な推論APIと、研究室向けに最適化されたプライベート推論APIの2つの製品を展開している。
生成AIによるメディア業界変革の到達点を見据えて
同社は、設立からの3年間でSDXLやWhisperといったAIモデル向けに“最速”インファレンスを開発。AIモデルの実行を単に高速化しただけでなく、使用量ベースの課金モデルで低コスト化も実現した。今回の資金調達を報告するブログエントリでは、falプラットフォーム上で50万人の開発者獲得や、1 日に5,000万件の画像・動画・音声ストリーム生成、前年比10倍の収益成長などのマイルストーンが挙げられている。
また、映画・音楽・ゲームから広告、マーケティング、ソーシャルメディア、ファッションなどを含むメディア業界は現在生成メディアの台頭によって変革が進んでいると指摘。「この変革は、あらゆるコンテンツがAIで作られる状況になるまで続くと当社は考えています」「falを利用することで、各種メディア企業はこの変革の最先端に立つことが可能です」とした。同エントリでは調達資金の用途に触れていないが、falは現在エンジニアやリサーチャーを募集して人員強化を図っている。拠点はサンフランシスコだが、完全リモート制で既存のチームメンバーは世界各地に散っているとのことだ。
(文・Techable編集部)