■謎の部族の正体は?
1797年の医師で学者のベンジャミン・スミス・バートンが著書の中で取り上げて以来、ムーンアイドピープルは一般にも知られるようになった。バートンはこの部族を、12世紀にアメリカ大陸に入植したと伝説に語られるイギリス・ウェールズのマドック王子の末裔と考えた。そして、チェロキー族に追い出された後はパナマの先住民クナ族の祖となったのではと推測した。クナ族には現在もアルビノ(先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患)の人々が多い。アルビノの白い肌や髪の毛、太陽光に弱いといった特徴は、確かに伝承に語られるムーンアイドピープルのものとも一致する。
ムーンアイドピープルとマドック王子の物語は、その後広く流布した。アメリカにいち早くやって来たウェールズの王子は今となってはただの伝承に過ぎないのだが、その当時は多くの人々がウェールズ人の血を引く先住民の痕跡を探していた。ネイティブアメリカンたちよりも早くヨーロッパ人がアメリカ大陸に入植していたという「物語」は、当時の白人たちにとって入植や迫害を正当化するものとして好まれたという指摘もある。
また、ノースカロライナ州マーフィーでは、ムーンアイドピープルのものといわれる石像が見つかっている。二人の人物がくっついた形をした石像で、その顔には目・鼻・口などが刻まれているというシンプルなものだ。伝承に残るムーンアイドピープルの特徴や、この石像の人間離れした容貌から、彼らはエイリアンだったと主張する人々もいる。
ウェールズの王子の末裔か、パナマのクナ族の祖先か、はたまたエイリアンなのか。その正体が何であれ、かつてアパラチア山脈に住んでいた謎の人々は、これからも我々の興味を引き続けるだろう。
参考:「ati」、「North Caroline Ghost Stories」、ほか
※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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