■そもそも「準絶滅危惧種」とは?
さて「発見しても特別な対応は必要ない」「よく見かける蝶」とのことだが…気になるのは、ジャコウアゲハが「準絶滅危惧種なのではないか?」という点。前出の通りX上でも、こちらを心配する声が少なからず上がっていたのだ。
そこで再度、ジャコウアゲハの「希少性」について尋ねてみることに。
こちらの疑問をめぐり、日本昆虫協会の担当者は「準絶滅危惧種(NT)とは『現時点で絶滅の危険度は小さい(今すぐ絶滅する心配はない)。ただし、生息条件の変化によっては、絶滅危惧種に移行する可能性がある』生き物を指します」と、前置き。
その上で「つまり『全国的に生息地が激しく破壊されたりすれば絶滅するだろうけど、とりあえず今は大丈夫だよ』ということです。こうした言い方をすれば、どんな生き物にだって『準』が当てはまるでしょう」と、ご尤もな意見を寄せてくれたのだ。
さらに、担当者はこうした実情を踏まえて「準絶滅危惧種は、具体性を欠いた非常に曖昧な言葉なのです」とも指摘している。
ときには、地方自治体などが科学的な調査や具体的な対策も行わず、単に「自然保護をしている」ポーズだけのため、いわば「雰囲気」で使われるケースもあるというのだ。
「準絶滅危惧種」の6文字を見て身構えた経験のある人は、もっと肩の力を抜いても良いかもしれない。