日本にとって2024年は、新年早々に航空事故が発生し、国民を不安に陥れる年となった。
1月2日には、東京・羽田空港で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機が衝突して炎上する事故が発生した。JAL機の乗員乗客379人は全員が脱出できて助かったものの、海保機に乗っていた6人のうち5人が死亡した。海保機は、同月1日に発生した能登半島地震の被災地を支援するため、救援物資を搬送する途上だった。複数のヒューマンエラーが重なって生じた悲劇と考えられている。
同月16日には、北海道の新千歳空港で、国際線の大韓航空とキャセイパシフィック航空の航空機同士が接触する事故が起こった。停止中のキャセイパシフィック航空機の左の主翼に、移動中の大韓航空機の垂直尾翼が接触した。幸いにも大韓航空機の乗客にケガ人はなく、火災なども発生しなかった。大韓航空によると、離陸に向けて大韓航空機を押していた車がスリップしたことが原因だという。
海外に目を移すと、チリ・タルカ市で同月15日、消防機が高速道路に墜落する事故が発生した。同機は、道路脇で発生した火災の消火活動を行っていた。同機を操縦していたパイロット、フェルナンド・ソランスさん(58)が死亡し、道路を走行中の車に乗っていた4人の民間人が負傷した。
この事故の一部始終についてはさまざまな角度から撮影され、その動画はスペイン語圏のSNSで急速に広まった後、英語のアカウントにも取り上げられてインターネット上で拡散された。動画には、高速道路に沿って低空飛行している消防機の主翼が電柱にぶつかり、制御不能となった機体から炎を噴き上げながら墜落する様子が映っている。事故発生後、道路が封鎖されて、救助チームが現場に急行した。
事故を起こした消防機は、国立森林公社(CONAF)に依頼で火災現場へ向かう途中だった。当局によると、同機のパイロット、ソランスさんは、空中消火活動で豊富な経験を有するプロフェッショナルだったという。
CONAFの事務局長、クリスチャン・リトル・カルデナス氏は、「火災の99パーセントは人為的原因によって引き起こされ」、そのせいでソランスさんのような殉職者が増えているので、国民に対して「この種の事故が起こらないようにする」責任を負うよう訴えた。また、事故の原因を調査することを約束し、事故を起こした消防機に「何らかの技術的な欠陥がある可能性がある」と付け加えた。
CONAFはウェブサイトにて、殉職した「ソランス氏のご遺族に哀悼の意を表す」と同時に、「当局と積極的に協力していて、あらゆる情報を提供する予定です」という声明を掲載した。
航空事故の主な原因はヒューマンエラーだとされる。その対策をパイロットやエンジニアなどの個人に委ねるだけでは不十分で、組織全体でエラー防止の仕組み作りをしていく必要がある。実際に起こった事故の原因を究明し、再発防止に役立てていくことが求められている。
参考:「Newsweek」、「Noticias de Salta」、ほか
文=標葉実則
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提供元・TOCANA
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