【八ヶ岳のんびり起業日記・1】こんにちは。八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)でのんびり起業して暮らしています。長年の外資系IT業界を卒業し、田舎でのんびり起業を始めて、かれこれ2年になりました。毎日がとんでもなくハッピーです。この連載では田舎暮らしに興味があるけど仕事や収入が不安、という人へ「田舎でのんびり起業」という選択肢もあるよ、というお話を伝えていきます。
八ヶ岳でいろんな仕事を組み合わせて暮らしています
まずは自己紹介から。「田舎でのんびり起業」というけれど、「一体どんな暮らしをしているの?」と思う人もいることでしょう。主にオンラインでできる仕事なので、普段は森の中の自宅兼オフィスで働いています。森の中にいると、それだけで気持ちがいいものです。季節の移り変わりも感じられます。僕の家にはエアコンがないので夏は窓を開けているのですが、鳥の声を聞きながら仕事をしているとストレスもなく働けます。
働く時間も自分で決められるので、天気のいい日は平日でも出かけています。山が近いので日帰りのハイキングに出かけたり、冬はスノーボードも楽しんだりしています。旅行も平日なので、そんなに混雑はありません。
まあ、コンビニに出かけるのも車ですし、夏は草刈り、冬は雪かきなど、田舎暮らしならではの苦労もあります。草刈りや雪かきは結構疲れる作業です。そんな日は、フルに仕事を詰め込むことはできません。でも、体を使うことでリフレッシュにもなります。のんびりとした暮らしですが、QoL(生活品質)はすごく高いですよ。
仕事は、いくつかの事業を組み合わせています。僕はざっくりいうと、三つの事業をしています。
一つは、法人向けのコンサルティング事業です。外資系IT業界での営業・マーケティング・企画部門経験を活かして、主に地方中小企業向けに事業戦略やDXに関するコンサルティングを行っています。
二つめは、「田舎でのんびり起業」を支援する事業です。僕自身の体験をベースとして田舎でスモールビジネス起業を目指す個人へ起業支援サービスを提供しています。
三つめは、地域関係人口創出です。八ヶ岳でのワーケーション誘致や移住支援、地域活性化に関する支援などを行っています。
どれも一つだけではそこまで大きな事業ではないのですが、組み合わせることで暮らしていける売り上げになっています。
だって都会で暮らす方がむしろ辛くない?
この記事を読んでいる人の多くは、東京など、各地域の中心エリアで暮らしているのだと思います。僕も八ヶ岳で暮らす前は東京郊外に住んでいました。
東京にいた頃も、それなりに楽しかったものです。仕事も刺激的だし(時にはちょっとスパイシーすぎたけど)、都会にいればなんでも楽しいものも手に入ります。むしろ田舎なんて年に1、2回旅行でいけば十分でしょ、田舎に刺激的な生活も高収入の仕事もないもんね、と思っていました。
実際、東京で働いていた頃は高収入も得られていましたしね。僕は外資系IT業界で働いていたので、会社員としてはそこそこいい収入だったんです。でも、不思議なことにいくら稼いでも手元にお金は残りませんでした。まあ、僕はほとんど毎日仕事の後は呑み歩いていたので仕方ないかもしれませんけどね。
そもそも東京は収入も高いけれど、支出も大きい街なんです。実際、可処分所得(収入から税・社会保険を引いたもの)から基礎支出(家賃・食費・光熱費)を引くと、東京都は全国で43位、というデータもあります。つまり、東京の暮らしは実際に手元に残るお金で考えると田舎よりも貧しいんです。
今や東京23区の新築マンションは、平均価格が1億円を超えています。子育ても学費だけで私立に通うと、2500万円を超えるといわれています。もはや年収1000万円でも、東京で家を持って家族と暮らすのは楽なことではないですよね。
しかも東京のような都会にいると、つい無意識のうちにお金を使ってしまいます。周囲と比較して車や時計やブランド品がほしくなったり、タワマンに住みたくなったり、高級グルメ店に行きたくなったり。旅行先や子どもの学歴まで。なんでも周囲と比較して、お金を使ってしまう。そんなことないですか。
周囲と比較すると、いくら収入が増えても満足できなくなってしまいます。年収1000万円になっても、2000万円の人が羨ましい。年収2000万円になっても、4000万円の人が羨ましい。キリがないんです。手に入れるものは高級品になるかもしれませんが、手元にお金は残りません。そして、いつまでもお金を追いかけて毎日ブルシットジョブを繰り返す生活です。