「家電」と「スマホ」の連携の将来性は?

前述の通り、BALMUDA Phoneにはバルミューダの家電との連携はありませんでした。

その理由について、寺尾玄氏(バルミューダ創業者)は2021年時点で「BALMUDA Phone自体は現状、独自アプリで家電に繋ぐつもりはありません。以前、我々は2013年頃に、加湿器や空気清浄機とをスマートフォンに連携させる「UniAuto」というアプリで、IoTに取り組みました。その際、家電とIoTは相性があまり良くないと思ったので、現状は一切考えてないですね」と語っています。

とはいえこの発言はすでに3年前のものであり、なおかつ同社が「UniAuto」に取り組んだのは2013年の出来事であることには注意が必要です。2013年にスマートホーム的な発想のもと、IoTに取り組んだことは「時代を先取りしすぎていた」のかもしれません。2024年現在は、2013年と比較すると「スマートホーム」の知名度や普及度、海外での先行事例の数などが圧倒的に違います。

海外での先行事例には、たとえば中国国内におけるファーウェイの取り組み例が挙げられます。

「BALMUDA Phone」って結局どうなったの? バルミューダはいまでもスマホを手掛けているのか
(画像=『オトナライフ』より 引用)

ファーウェイは2019年のアメリカによる制裁をきっかけに、独自OSである「HarmonyOS」の開発に着手。そしてHarmonyOSは日本国内ではあまり普及していないものの、中国国内では急速に普及し、中国国内では「スマートフォン」「タブレット」にとどまらず様々な家電や車にまで搭載されています。

つまり1つのモバイルOSがスマートフォンやタブレットから家電、自動車まで横断的に搭載されている状態です。スマートフォンと自動車を横断的に跨ぐアプリや、タブレットと家電を跨ぐアプリや各種機能を開発しやすい状態であることを意味します。

つまりスマートホームやスマートカーといった観点で見ると、HarmonyOSは「OS」として想像以上の広がりを見せる可能性があります。

とはいえ一つのモバイルOSがスマホから家電、車まで横断的に搭載され、なおかつそれらが実用的に使われる未来は2013年時点では「ちょっと遠いもの」であったことも否めないでしょう。バルミューダが2013年に行ったIoT家電への取り組みは早すぎた可能性があります。

裏を返せばスマート家電やスマートカーが日本でも当たり前になった時代に、IoT化に対応するBALMUDA Phoneがリリースされていれば、市場に与える影響は少し違ったかもしれません。

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

【関連記事】
ドコモの「ahamo」がユーザー総取り! プラン乗り換え意向調査で見えた驚愕の真実
【Amazon】注文した商品が届かないときの対処法を解説!
COSTCO(コストコ)の会員はどれが一番お得? 種類によっては損する可能性も
コンビニで自動車税のキャッシュレス払い(クレカ・QRコード決済)はどの方法が一番お得?
PayPay(ペイペイ)に微妙に余っている残高を使い切るにはどうすればいいの!?