【理屈を超えたモチベーションの正体・1】モチベーションという言葉は一般的に「やる気」とか「意欲」という意味に捉えられます。本連載では、モチベーションを本質的に「エネルギー」と捉えてみたいと思います。エネルギーは、どうすれば高まるか。そんなテーマで紹介していきます。
エネルギーには二つある
人は誰しも、バイオリズムがあるので、エネルギーの高いときと低いときがあります。エネルギーの低い自分よりもエネルギーの高い自分であることを、多くの人は望んでいます。ところが意に反して、なかなかエネルギーが高まらなかったり、ほとんど枯渇してしまったりすることがあります。
「エネルギーコントロール」、これがなかなか思うようにいきません。そのエネルギーコントロールの仕方を解説しますが、この視点から見た場合、まず伝えなければならないことがあります。
それは、人間のエネルギーには二つあるということです。これを「反応エネルギー」「真エネルギー」と呼んでいます。
反応エネルギーとは、「外部環境から与えられるエネルギー」です。真エネルギーとは、「自分自身の内側から湧き続けているエネルギー」です。この二つを区別することが、エネルギーコントロールを語る上で切り離すことができません。
反応エネルギーの特徴
「この仕事はモチベーションが上がらないなぁ」とか「あの人の一言でモチベーションが一気に高まったよ」のように、通常、モチベーションという言葉を使う場合にイメージしているのは、ほとんどがこの反応エネルギーです。外部環境との関わりの中で発生するエネルギーで、さまざまな出来事や状況によって、反射的・反応的に発生します。
反応エネルギーは、たとえ大きなものが発生しても、ある程度の時間が経過したり状況が変わったりすれば消えていきます。消費することで、なくなるものです。つまり、「有限」です。
なくなってしまえば、また新たなエネルギーを注入しなければなりません。では、どうやって自分に次のエネルギーを注入すればいいのか。
反応エネルギーは、外部環境に左右されるため安定していません。急にエネルギーが高まることもあれば、急に減ってしまうこともあります。反応エネルギーを高いままに保つというのは、非常に難易度が高いのです。
真エネルギーの特徴
真エネルギーは、外部環境云々ではなく自分の内側から湧き続けるエネルギーです。誰の中にも存在しますが、それがきちんと表出しているかどうかは人によりけりです。このエネルギーが表出するようになると、心身が満たされている感覚が得られます。
自分にとって非常に心地良く、あたたかかく、安心感を伴うものです。良い意味で肩の力を抜くことができ、自分を自然体に戻してくれます。自分を癒してくれることさえあります。
真エネルギーが表出している人は、無理に「頑張らねば!」とやる必要はなく、気合を込めたり自分を鼓舞したりする必要もなくなります。常に心にゆとりがあり、淡々と、しかし着実に、自分のすべきこと・したいことを進めていきます。今日やることをしっかり心を込めて最後までやりきることができます。つまりモチベーションアップという言葉そのものが必要なくなります。
ところが残念なことに、真エネルギーを日常生活の中で実感できている人は、割合としてはかなり少ないようです。
次回から、この真エネルギーに焦点を当てて解説していきます。真エネルギーを表出させるための術を知ることで、エネルギーコントロールを自身で行うことができるようになるのです。(ITSUDATSU・黒澤伶)
提供元・BCN+R
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