高性能で品質が良く、アフターサービスの充実さも際立っている日本車。その多くはグローバルな存在となり、トヨタや日産、スバル、ホンダは日本で販売されるよりはるかに多くの台数が世界で販売されています。21世紀となった今、国産車と輸入車の違いなどもはや存在しないのでは?と思われるのですが…実は細かい部分ではまだまだ違いがあります。ここでは、日本車のボディ、特にドアの軽さや、ドアを閉めたときの感覚や音の違いについて考察してみたいと思います。

目次
日本車のドアは薄くて、側面衝突に弱い?
なぜ、日本車のドアは軽い?
薄く軽くするには高い技術が必要
ドアの閉まる音に安っぽさを感じるのはなぜ?

日本車のドアは薄くて、側面衝突に弱い?

ドアだけではなく、日本車のボディは全体的に「軽い」といわれます。

昔から言われるのは「日本車はコスト削減のために薄っぺらな金属パネルを使っている」「日本車のボディはペラペラで衝突安全性が低い」…などなど。ずいぶんひどい言われ方をしていた時代もありましたが、現代の日本車のドアが軽く薄いのはコスト削減のためではありません。

そして、側面衝突のテストにおいても、世界で最も厳しいといわれる、欧州の衝突試験「ユーロNCAP」をはじめ、様々な国の衝突実験で日本車の多くは最高評価を獲得しています。

なぜ、日本車のドアは軽い?

衝突安全性の概念があまりなかった1980年代は、重く分厚い鉄板を使っている車は頑丈で安全性が高い、と信じられてきました。鉄の塊のような武骨なスタイルのボルボや大きくて派手なアメリカ車などが安全とされていた時代です。

しかしその後、「衝突時に車内の乗員を保護するには安全性を考慮した軽くて壊れやすい(=エネルギーを吸収する)ボディのほうが安全」という考え方が理解され始めると、衝突安全性に優れた車作りが行われるようになりました。

薄く軽くするには高い技術が必要

ボディが軽いということは運動性能もよく、意のままに車を操る楽しさを味わえます。車の軽量化によって「燃費」も格段によくなるメリットもあります。日本車の代名詞ともいえる好燃費の車を作るにはボディの軽さは必須条件なのです。

ただし、車のボディを軽くするには相当ハイレベルな技術が必要です。軽量化と衝突安全性を考慮した設計はもちろん、使用する高張力鋼板などにも高い技術力が必要となります。日本の自動車メーカーはボディの軽量化に関しても、世界トップの技術を持っているといっても過言ではないでしょう。

ドアの閉まる音に安っぽさを感じるのはなぜ?

なぜ日本車のドアは軽いのか?意外な理由がある?
(画像=『CarMe』より引用)

軽量で安全性の高い日本車のドアですが、ドアの閉まる音…は確かにまだ欧米の車と違いがあるように感じます。ドアそのものが薄いからドアを閉めたときの音が物理的に軽くなるのは仕方ない…というのも一理あります。日本車でも高級車においてはドイツ車のような重厚な音と感触で閉まるドアを持つ車もあります。この違いは何なのでしょうか?

それはドアヒンジの形状に理由があります。欧州車はVWポロなど小さな車であっても、ドアヒンジは「鋳物製」です。これに対して日本車の多くはプレス製になっています。鋳物製のドアヒンジはドアを開けたときにむき出しで見えるような作りになっており、少し不格好にも思えますが、重厚なドアの開閉音はここがポイント。

ちなみに、ドアヒンジはボディ剛性にも大きくかかわってきます。プレス製は時間の経過とともにドアの重みで伸びてやや甘くなってしまうのに対し、鋳鉄製は剛性が高いため、ガッチリした感覚が長く保てるというわけです。例えばレクサスRXは当初、プレス製だったのですが2015年秋のフルモデルチェンジではドアヒンジが前後ともに鋳物タイプに変更されています。

高級感においては室内の装備やデザイン、エンジンのパワーも重要ですが、ドアの開閉音やクラクションの音質も大きくかかわってきますね。日本車でも高級車に位置するクルマはこれらの分野でも配慮が進んでいます。

提供元・CarMe

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