人が死ぬ時には様々な前兆があるというが、その一つに「死のノック」と呼ばれるものがある。西洋では古くから伝えられている伝承の一つで、家の中で原因不明のノック音が聞こえたあと、家族の誰かが死ぬ……というものだ。オカルトメディア「Mysterious Universe」(6月11日付)がこの怪現象について取り上げている。
・Deadly Omens and the Mysterious Knocks of Death (Mysterious Universe)
ある夜突然、玄関のドアを激しくノックする音が響いた。来客かと出てみると、なぜか外には誰もいない。そんなことが何度か続いた翌朝、その家に家族が突然死したと連絡が入る……。これが死のノックの典型的なエピソードだ。以下は、とあるネットの掲示板に書き込まれたという実際の体験談である。
画像は「Getty Images」より引用
雪の降る夜、しつこくドアを叩く音が……
それは雪の降る、とても寒い夕方のことだった。突然、家のドアを激しく叩く音が聞こえ、家族は顔を見合わせた。そのドアは冬場は雪のために閉鎖しているのに、外にいる何者かは何度もなんどもドアをノックし続けたのである。
見兼ねた母親がそのドアに向かい、「玄関に回ってください」と声をかけ、わかりやすいように玄関の光をつけた。しかしそれでも返答はなく、仕方なく母親が窓から外を覗くと、外には誰もいないばかりか、雪の上に足跡すら残っていなかった。
この時、母親は何かを悟ったらしく、「誰かが死ぬのかもしれない」と家族に告げた。父親は風か何かだろうと懐疑的であったが、その翌朝、おじが急死したという電話がかかってきたのである。
ポルターガイストの起こる家で、ルームメイトが死亡
とある日の深夜。ホラー映画を見ていて夜更かしした姉妹がようやく床についた頃、家の中で突如、大きなノック音が3回響いた。
「今の聞こえた?」と姉が聞くと、隣で寝ていた妹も確かに聞いたという。家の中はシーンと静まり返っていて、明かりもなく真っ暗だった。だが耳をすますと、上の部屋でドライヤーを使っているような音がわずかに聞こえてきた。やがて音は止んだが、その10分後、再び3回のノック音が響きわたり、またしてもかすかなドライヤーの音が聞こえてきた。
その家の二階にはジャック夫妻が暮らしていたが、この日、夫妻はキャンプか何かに出かけていて留守だったという。この家ではスイッチを触っていないのに明かりが消えたり、誰もいないのに棚から物が落ちたりということが頻発しており、姉妹は怪現象に少々うんざりしていた。
それから2日後、二階の部屋でジャックが亡くなっているのが見つかった。死因は酒だったという。しかし彼は、深酔いした友人が凍死するという痛ましい事故以来、一切酒を飲んでいないとたびたび周囲に語るような人物だった。
画像は「Getty Images」より引用
死神は3回ノックする?
2つの体験談で興味深いのは、いずれもノック音が3回だったという部分だろう。不思議なことに、死のノックの伝承では「3」という数字が現れることが多く、悪魔や死神といった存在と関連づけられることもある。一般に、霊や邪悪なものは招かれなければ家の中に入ることができないという。不思議な3回のノックは、死神が来訪したという合図、あるいは死に瀕した人々からの最後のあいさつなのだろうか。
謎のノック音と近しい人間の死、その関連を思い込みやバイアスといった言葉で片付けることもできる。だが、世界各地で似たような伝承が伝わり、現代でも体験談が続々と語られている事象を、ただの迷信や偶然と斬って捨てるのはあまりに短絡的だ。そこには人知の及ばない何かが関わっているのかもしれないのである。
参考:「Mysterious Universe」ほか
提供元・TOCANA
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