■母親の虐待行為を撮影

そんなある日のこと、少女は弟に会うために実家を訪ねた。しかし恋人とドラッグを摂取した母親が弟に暴力を振るったため、慌てて止めに入った。母親は「帰れ」と怒鳴るばかりで、まともに話を聞こうともしない。

「このままでは、弟が危ない」と考えた少女は、母親の虐待行為をスマートフォンで録画。それを証拠として保存し、自治体のトップに相談した。そこから情報を得た警察が現場に急行したが、母親は弟を連れて逃げたあとだった。

その後も警察は捜索を続け、同日中に友人宅にいた母親と弟を発見。弟は病院に搬送され検査を受けたが、目に見える傷はなかった。

■当局が弟を保護

弟は当局が保護し世話を続けており、今後はカウンセリングも受けさせて心理面でも支えていく予定だ。いつか弟が心を開いて虐待に関しても証言することを、当局は願っているという。

なお母親はドラッグにも手を出し頭が混乱していたほか、ギャンブル依存でもあったとのこと。今後現地の警察は、虐待とドラッグ使用の2点を分けて調べを進める予定だという。

弟を守るために努力した少女についても、しっかりとしたサポートとカウンセリングが受けられることを願うばかりだ。

(取材・文/Sirabee 編集部・マローン 小原)