ベルギー1部シント=トロイデンVV(STVV)は日本代表DF谷口彰悟やパリ五輪U23日本代表GK小久保玲央ブライアンらを獲得した一方、日本代表GK鈴木彩艶をパルマへ完全移籍により放出したこともあり、巨額の利益を得た模様。立石敬之CEO(最高経営責任者)がクラブ財政に言及しているが、現地では経営陣への批判も挙がっている。
STVVは鈴木やDFマッテ・スメットら複数の主力選手を放出。FC東京から期限付き移籍により加入していたDF小川諒也を完全獲得したほか、小久保、谷口、元U20ウルグアイ代表FWアンドレス・フェラーリら複数選手を迎え入れた。
しかし小久保、MF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁のパリ五輪U23日本代表招集もあり、今季開幕までに一度も全選手が揃わず。開幕から7試合で1勝3分3敗と苦戦を強いられているほか、7試合で16失点と守備陣の立て直しが急務に。9月はじめにはクリスティアン・ラタンツィオからフェリス・マズーへの監督交代を公式発表している。
ベルギー紙『HBVL』が16日に伝えたところによると、立石CEOは今年夏の移籍ウィンドウやクラブの予算について、以下のように語ったという。
「代理人への手数料、トレーニング手当、その他の費用を差し引くと、純利益は1300万ユーロ(約20億3000万円)です。3年にわたり分割払いで受け取るものもありますが、いずれにせよ、我々は現在赤字から脱しています」
「クラブの予算は2300万ユーロ(約36億円)ですが、このうち1300万ユーロ程度は現場で使われます。KVコルトレイクなど3クラブは我々よりも少ない予算で運営しています」
健全なクラブ経営を強調した立石CEOだが、一方で補強内容に対する不満の声も。ラタンツィオ監督の早期解任をうけて、KAAヘントなどベルギー国内複数クラブでのプレー経験を持つヨハン・ボスカンプ氏は、『HBVL』のインタビューで「STVVの幹部は冗談だと思う。彼らは移籍市場における自分たちの失敗を棚に上げるために、ラタンツィオ監督の背後に隠れた。現場に責任を押し付けた」と批判している。