Jリーグ公式戦にくわえて、FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選における日本代表戦の放映権を保有しているインターネット動画配信サービス『DAZN』。度重なる月額料金値上げや広告の多さ、同時視聴制限などで批判を浴びるなか、元Jリーガーの城彰二氏がJリーグ人気という観点からDAZNの弊害を指摘した。
同氏は9月14日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「【代表が強いのになぜ?】深刻なサッカー人気の低迷について考える」というテーマでスタッフと議論しているが、Jリーグ人気低下の要因のひとつとして「(チームを)分散しすぎた。クラブ数が多くなりすぎて、ファン・サポーターが分散されたことにより、観客動員数が軒並み減っている」と指摘。3期連続の赤字を許さないJクラブライセンスの厳しさにも言及している。
城氏は、ライト層のサッカーに触れる機会が減っている現状も憂慮している模様。「民放(での放送)が無くなったのがキツイ」と切り出すと、Jリーグに対して以下のように警鐘を鳴らしている。
「有料放送(DAZN)になって、本当にサッカーを応援する人はお金を払ってでも見る。だけど、一般の人は今ニュースでもあんまり取り上げられなくなってきている、民放でもやらなくなってきている。そうなった時にサッカーを見る機会が自然と無くなっている。そこをもう一度見直さないといけない」
「Jリーグも今、色々と各テレビ局などにお願いして、出資して、『Jリーグをもっと盛り上げてください』ということで(様々な取り組みを)やっている。少しずつ効果が出てくるだろうし、お金を払ってでも『Jリーグを取り扱ってください』とやらないと、もう厳しくなっている」
なお、DAZNはW杯アジア最終予選の日本代表アウェイゲームを独占配信。9月11日開催のバーレーン戦が地上波で放送されなかったほか、11月開催のインドネシア戦、中国戦はいずれもアウェイゲームだ。バーレーン戦前にも、DAZN独占配信による代表人気低下を不安視する声が挙がっていただけに、日本サッカー協会(JFA)が地上波での露出度アップにむけて動く必要性も問われている。