1ヶ月2ヶ月で返済しろ、その短期間で売上をつくれといわれても難しいかもしれませんが、真剣にビジネスに取り組んで月4から5万円の返済ができないということは逆に考えにくく、言い換えるとその決意ができなければ開業には時期尚早なのかもしれません。

お金に苦しんだ開業創業期

私の場合、開業の経緯が少し特殊でした。

新卒で入ったベンチャー企業にリストラされ、ただ単に「もう人に雇われたくない」という気持ちで開業してしまいました。

そのときの手持ち貯金は10万円程度でした。そこにリストラされたときに支払われた解雇予告手当金の約30万円があり、合わせて約40万円程度で開業してしまいました。

「開業資金は少ないほうが必死で頭を使うようになるから、資金は少ないほうがよい」

たしかにこのようなセオリーもあります。1,000万円以上準備して倒産した会社も仕事を通じて多数見てきましたので、お金があることによって余裕を持ちすぎてしまうという法則も理解できます。しかしながら、言葉以上に少ない開業資金というのは苦労の連続でした。

開業資金が少ないと、なんといっても広告費などの販促費の捻出が難しくなります。手持ちのお金が少ないと、ビジネスにかける費用よりも生活費を優先的に考えることになり、結局何もできない状態が続いてしまうのです。そのため、飛び込み営業や紹介営業などなるべくお金のかからない方法に頼ることになりますが、この方法は、費用が抑えられる一方で決して効率はよくありません。

結果として、時間はあるが仕事はなく、かといって効率よい営業もできなくなるため、真綿で首を絞められように徐々に廃業のことを考えてしまうわけです。

インターネットから集客する方法も、古い本では「ほとんどお金がかからず……」と謳っていますが、現在はネット営業でも広告費が必要な時代です。そのため、開業資金はできるだけ準備してから開業に臨むのがよいでしょう。