特に研究者たちが着目したのはADHD(注意欠陥・多動性障害)との関係です。
買いだめ障害は以前、強迫観念が原因で発生すると考えられていましたが、研究者たちが患者たちのデータを分析すると、不思議なほどADHDを併発しているケースが多くみられたからです。
そのため研究者たちは新たに「買いだめ障害」とADHDの関係を調べるための調査を行うことにしました。
調査にあたってはADHDの患者と一般の参加者とをつのり「買いだめ」の傾向がどれだけ強いかを測定しました。
結果、普通の人々のなかで「買いだめ障害」を発症している割合が2%に過ぎないのに対して、ADHDの患者では発症率が20%に及ぶことが発見されます。
またADHDの主な症状である不注意レベルが「買いだめ障害」の重症度と一致していることも明らかになりました。
この結果は、ADHDの人々は通常の人々に比べて「買いだめ障害」を発生させやすいことを示します。
研究者たちはADHD患者にみられる報酬系の異常が、物品の異常な所有に連動している可能性があると推測しています。
ADHDの世界的な有病率は3.4%と報告されており、決して珍しい症状ではありません。
もし本やゲームなどを、使用する目途がたたなほど大量に所有しているのならば一度、ADHDの診察を受けてみるのもいいでしょう。
※この記事は2022年3月公開のものを再掲載しています。
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参考文献
ADHD Linked to ‘Significantly Higher’ Risk of Hoarding, New Study Finds
https://www.sciencealert.com/adhd-is-linked-to-significantly-higher-risk-of-hoarding-new-study-finds
元論文
Elevated levels of hoarding in ADHD: A special link with inattention
https://doi.org/10.1016/j.jpsychires.2021.12.024