中国代表のサポーター 写真:Getty Images

 中国サッカーリーグでは、八百長や賭博が横行。同国サッカー協会(CFA)は選手など関係者43人に永久追放処分を科しているが、対象者のひとりである韓国1部水原FCでプレーしている韓国代表MFソン・ジュンホは、強制引退がほぼ確実な状況だという。

 CFAは43人のうち、現在中国国外でプレーしている選手について、国際サッカー連盟(FIFA)に対して全世界でのサッカー活動禁止処分を科すように働きかけ。中国1部・山東泰山在籍時の2023年5月に贈収賄の容疑で公安当局に拘束されたソン・ジュンホについては、すでにFIFAと韓国サッカー協会に対して全世界での永久出場停止を要請している。

 一方、ソン・ジュンホは11日に韓国国内で記者会見を実施。『朝鮮日報』など同国の複数メディアによると、同選手は中国公安に拘束された後の状況について「公安からの脅迫を受けて、嘘の自白をするしかなかった」と主張。公安から「容疑を認めたら、中国では追放されても韓国に戻ることができる。サッカー選手としてプレーすることも可能だ」と迫られていたことも明かしたという。

 韓国国内ではソン・ジュンホを支持する声が多く挙がっていたが、水原FCは13日に同選手との契約解除を公式発表。『韓国日報』など複数メディアは「ソン・ジュンホは無実を主張したが、明確な証拠を提示できなかった」「CFAが水原FCに圧力をかけた」と報じているだけに、現役引退は避けられない見込みだという。

 なおCFAの発表によると、中国国内のリーグ戦で男女あわせて120試合で八百長や賭博が確認され、41クラブが関与。2024シーズン終了後に関与したクラブへの処分を発表する予定であるだけに、現地ではリーグ廃止に追い込まれる可能性が指摘されている。