アップルは後出しじゃんけんの企業

 そんなiPhoneだが、SNS上では「iPhoneに搭載する新機能をだいたい富士通が先周りしている」「ソニーのほうが数年先行している」として、かつて富士通が手掛けていたスマホシリーズ「arrows」やソニーの「Xperia」のほうが先行して開発・搭載していた機能を、実はiPhoneが周回遅れで搭載するケースがあるという見方が一部で話題を呼んでいる。

 ITジャーナリスト・石川温氏はいう。

「日本メーカーのケータイが『ガラパゴスケータイ(ガラケー)』といわれていたように、世界を置いていき、独自の進化をしていたのは事実です。ソニーであれば、ケータイで音楽が聴ける機能を提供していたり、FeliCaのような非接触決済技術ももともとはソニーの技術です。富士通もボタンをスライドして操作する機能や、特定のフォルダを隠せる機能など、iOS18で搭載された機能を10年以上前に導入しています。

 ソニーや富士通の携帯電話は販売数も少ないので『誰も考えないアイディアや技術で勝負』せざるを得ませんが、iPhoneは販売数も多く、『横綱相撲』で本当にユーザーが求めているもの、他社が導入してユーザーに支持されている機能を後から搭載しても、何ら問題ありません。

 スティーブ・ジョブズがCEOだった頃は、アップルは先進性、革新性のある企業というイメージでしたが、ティム・クックCEOになってからは『後出しじゃんけんで、絶対に負けない勝負をする堅実な企業』に生まれ変わっています。今回の生成AIもそうですし、Apple Vision Proも他社が失敗した取り組みを学んだ上で、勝てる勝負を仕掛けています。スマートスピーカーブームの頃も、HomePodという音楽に特化した製品で負けない戦いをしてきましたし、Apple Watchなどもウェアラブルブームで他社が負け始めた段階で、絶対に勝てる勝負をしてきています。業界全体を研究して、絶対負けない勝負を仕掛けてくるのが今のアップルなのです」

(文=Business Journal編集部、協力=石川温/ITジャーナリスト)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?