中国のXiaomi(シャオミ)が8月に発表したチューナーレステレビ。43型が9月10日までの期間限定で2万9800円(税込)で販売されるなど、圧倒的低価格が話題を呼んだが、量子ドット技術を採用していると謳っているものの、実は同技術を採用していないのではないかという指摘が一部SNS上で広まっている。そこでシャオミ・ジャパンに見解を聞いた。

 シャオミの創業は2010年と、歴史は浅い。スマートフォンでは、比較的高い性能とデザイン性ながらも圧倒的な低価格である点を強みにシェアを拡大。23年の世界スマホ市場シェアでは、1位でiPhoneを販売するアップル(20.1%)、2位でGalaxyを販売する韓国サムスン電子(19.4%)に次いで3位(12.5%)につけている(米市場調査会社IDC調べ)。日本にも19年に参入し、現在では安価なモデルの「Redmi 12 5G」(税込2万9800円~)からハイエンドモデルの「Xiaomi 13T Pro」(10万9800円~)まで販売。シャオミジャパンによれば、今年4~6月の納入台数のメーカー別シェアで、1位のアップル(56%)、2位でGoogle Pixelを販売するグーグル(12%)に次いで3位(6%)になったという。

大量生産が可能となることで低価格が実現
 シャオミの特徴といえば、スマホ以外にも幅広いジャンルの商品を扱っている点だ。スマートウォッチ、ロボット掃除機、スマートカメラ、空気清浄機、加湿器などの家電製品、保温ポットなどにも注力。最近では電気自動車(EV)を発売したことも話題を呼んだ。8月に東京都内で開催したイベントでは、計31種類の新製品を発表。炊飯器やスーツケース、ゲーミングモニター、バックパック、サングラスなど、その商品群はバラエティーに富んでいる。

 そんなシャオミの新商品で注目されているのがチューナーレステレビ「Xiaomi TV A Pro 2025」シリーズだ。8月28日より予約販売を開始しており、サイズと価格は以下のとおり。

・43型:3万9800円(税込/9月10日まで期間限定で2万9800円)
・55型:6万4800円
・65型:8万9800円
・75型:11万9800円

「Google TV」内蔵で解像度3840×2160 の4KウルトラHDディスプレイ、Dolby Vision、DCI-P3色域規格を採用。サウンドはDolby Audio、DTS-X、DTS Virtual:Xで12Wのハイパワーステレオスピーカーを2つ搭載。Chromecastも内蔵されているためスマートフォンで再生する動画をスクリーンに映すことも可能で、2.4 GHz/5 GHz Wi-Fi、Bluetooth 5.0、標準的な各種ポートも備えている。

 IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏はいう。

「今回シャオミから発売されたチューナーレステレビは、Mini LEDバックライトを搭載した144Hz駆動対応モデルの『Xiaomi TV S Mini LED 2025』、量子ドット技術を採用した60Hzパネルのミドルクラス『Xiaomi TV A Pro 2025』、4Kチューナーレスのスタンダード『Xiaomi TV A 2025』と、スタンダードからハイエンドまで幅広いシリーズ、サイズ展開となっています。

 一般的なチューナー搭載型テレビの場合、チューナーを搭載するコスト自体は大したことないのですが、各国ごとの放送電波の周波数に対応する必要があり、それがコストアップにつながっています。チューナーレステレビの場合はローカライズの必要がなく、全世界に同じ商品を出荷すればよいため大量生産が可能となることで、低価格が実現できていると考えられます」

シャオミ・ジャパンの見解
 そんな「Xiaomi TV A Pro 2025」の43型について、少し前からSNS上では、シャオミが謳っている仕様と実際の仕様が異なるという指摘が流れ、一部で話題を呼んでいるのだ。ポイントとしては、実際にスペクトラムを測定すると赤色が凹んでおり、量子ドットなら三原色すべてが鋭く立ち上がるはずであり、量子ドット技術を搭載していないのではないかという指摘だ。

 そこで、シャオミ・ジャパンに見解を聞いた。

「現在、X上で『Xiaomi TV A Pro 43 2025は量子ドット技術を採用していない?』という情報が広まっていることはシャオミ・ジャパンでも確認できております。言及されている『Xiaomi TV A Pro 43 2025』、および『Xiaomi Mini LED ゲーミングモニター G Pro 27i』、両製品ともに、量子ドット技術を採用しています。また、『Xiaomi TV A Pro 43 2025』はリーズナブルな価格で、高いレベルの色域、および色精度を実現するために、量子ドット技術とKSF蛍光体を組み合わせて使用しております。

 昨今、量子ドット技術が日々変化しております。シャオミはすべての人がテクノロジーの良さを適切な価格で享受できるよう、量子ドット技術の運用だけではなく、最新な技術を幅広い製品に導入してまいります」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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