OwnのCEOであるSam Gutmann氏も、急速に進むデジタルトランスフォーメーションやこの業界が「世界で最も複雑で規制が厳しい」ことに言及。自社のミッションが当初のデータ損失防止と復旧からデータ保護へ、ひいては顧客のビジネスインサイト解放やAI駆動イノベーションの加速にまで広がったと語っている。
ShareFileは強固なファイル共有・同期ツール
一方、ProgressによるShareFile買収提案は、前者が継続する総合成長戦略の一環でもある。
Cloud Software Groupの事業部門であるShareFileは2005年の設立。顧客とのファイル共有を行えるセキュリティの高いウェブツールへのニーズはあったのに、セキュアなクラウドコラボレーションは存在していなかった。この需要を満たすためにJesse Lipson氏が立ち上げのがShareFileだ。
ファイルの共有や同期だけでなくクライアントポータルや電子署名などの機能を備えた同社のクラウドコラボレーションによって、設立以来9万社以上の顧客を支援してきたという。
買収予定について、ProgressのCEOであるYogesh Gupta氏はセキュリティ強化とコンプライアンス対応の必要性に言及しながら、「ShareFileの既存ユーザーは、Progressの持つ広範な製品ポートフォリオと専門知識から恩恵を受けられる」とした。
Cloud Software GroupのCEOであるThomas Krause氏もこれに同調、Progressとの協働によりShareFileの既存顧客が複数の恩恵を受けられるのは間違いないとした。
セキュアなデータ管理ソリューションのニーズ高まる
もともとM&Aが活発なテクノロジーセクターでは、今後も同様の買収が行われる可能性が高い。
投資銀行PMCFのまとめによると、ソフトウェアおよびテクノロジー部門の2024年第1四半期の取引量、総額ともに前四半期から大幅に増加したことが分かっている。