驚くべきことに歴史上の人物の「生まれ変わり」といわれる人々がいる。その中でもスウェーデンの作家バーブロ・カーレンは、なんとあのアンネ・フランクの生まれ変わりであると目されている衝撃的な“前世記憶”を持つ人物なのである。

■天才文学少女はアンネ・フランクの生まれ変わりだった!?

 前世で体験した出来事を語る人々がいる。故人でなければ知り得ない記憶を話し、関連する人物やイベントとの整合性もある――その驚くべき話が人々の注目を集めることになる。とはいえ、前世記憶が名も無い故人のものであったならば、周囲はそのことをあまり取り沙汰しないだろう。

 だが、今回紹介するのは、きわめて興味深い事例だ。スウェーデンの天才文学少女は自分がアンネ・フランクの生まれ変わりであることに気づき、その前世記憶はどうやら本物であるといわれているのだ。

 1954年5月24日、スウェーデンのクリスチャンの両親の間にバーブロ・カーレンという名前の女の子が生まれた。幼い頃から悪夢に悩まされていて、真夜中に悲鳴を上げて目を覚ますという手のかかる子どもであった。

 3歳の時にバーブロは自分の本当の名前はアンだと言い張って両親を驚かせた。最初は何かに影響された気まぐれのようにも思えたのだが、娘の主張はいたって真剣であることが明らかになった。自分は両親の本当の子どもではなく、フルネームは「アンネ・フランク」であると断言したのである。

 当時、スウェーデンではまだアンネ・フランクのことはあまり知られておらず、オランダ語のオリジナルの『アンネの日記(後ろの家)』の翻訳版はドイツ語、フランス語、英語、日本語とまだわずかで、今日のように全世界的に知られてはいなかったのである。そうしたことから両親もバーブロ本人もアンネと『アンネの日記』のことを知る由もなかった。

【前世記憶】アンネ・フランクの“生まれ変わり”が本人すぎる…! 親戚も公認、衝撃の一致多数
(画像=アンネ・フランク 画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

両親を悩ませるバーブロであったが、この歳になってもまだ悪夢を見続けていて、その内容は制服を着た男がドアを蹴っている光景であった。

 両親はバーブロを精神科医に診てもらったが、その診断は「いくつかの軽いメンタルの問題を抱えている普通の少女である」というものだった。つまり、彼女が今後成長するにつれて自然に解決される問題であろうと見なしていたのだ。

 興味深いことにバーブロは、12歳の時点で天才文学少女として数々の詩を書き上げて高い評価を獲ていた。特に『Man on Earth』といタイトルの詩篇はとても子どもの手によるものとは思えない傑作で、当時のスウェーデンで最も人気のある書籍の1つになったのである。この詩篇はシリーズ化され、第9巻まで続くものになった。

 そして、その少し後、バーブロはついにアンネ・フランクと『アンネの日記』を知り、自らが歴史上の人物として不幸にも15歳で亡くなった少女の生まれ変わりであると確信。ショックを受けることになる。つまり、彼女の“前世記憶”とはアンネの体験であったと理解したのだ。