FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選初戦で、日本代表に0-7と大敗した中国代表。監督交代報道が飛び交うなか、中国サッカー協会(CFA)は中国サッカーリーグで八百長や賭博に関わったとして、選手など関係者43人を永久追放処分に。現在、韓国1部水原FCでプレーしている元韓国代表MFソン・ジュンホの“強制引退”にむけて、国際サッカー連盟(FIFA)に働きかけているが、同選手の説明によると、CFAと中国公安・警察の説明が異なっているという。
CFAの発表によると、中国国内のリーグ戦で男女あわせて120試合で八百長や賭博が確認され、41クラブが関与。中国1部・山東泰山在籍時の2023年5月に贈収賄の容疑で公安当局に拘束されたソン・ジュンホなど、43人に永久追放処分を科している。
くわえて現在中国国外でプレーしている選手について、FIFAに対して全世界でのサッカー活動禁止処分を科すように働きかける方針を打ち出していたが、12日になって正式にFIFAと韓国サッカー協会に対してソン・ジュンホの永久出場停止を要請。『聯合ニュース』など韓国の複数メディアは「FIFAが制裁を全世界に適用した場合、ソン・ジュンホのサッカー人生は事実上終了する」と伝えている。
一方、ソン・ジュンホは11日に韓国国内で記者会見を実施。『朝鮮日報』などによると、本人は中国公安の連行された後、「公安からの脅迫を受けて、嘘の自白をするしかなかった」と主張したほか、「容疑を認めたら、中国では追放されても韓国に戻ることができる。サッカー選手としてプレーすることも可能だ」と、中国公安から迫られたことも明かしたという。
ただソン・ジュンホが八百長に関与したとして、サッカー界からの締め出しを図るCFAの動きを踏まえると、同選手に対して中国公安は噓を利用してまでも自白を強要したことになる。今回の事件をへて、中国サッカーの腐敗とともに中国公安の恐ろしさも明らかになっている。