みなさん、こんにちはFMヨコハマ「ザ・モーターウィークリー」のDJ&モータージャーナリストの高橋アキラです。

韓国で発表されたスモールコンパクトSUVインスター関連の情報をこれまでお伝えしてきましたが、今回がラストの情報。

最後はタカハシのかなり主観が入った韓国見聞録です。「いやいや、違うでしょ!」というご意見もあると思いますが、そこは広い心を持ってお付き合いください。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
ソウル上空 高層住宅の上にはヘリポートがたくさんある(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

さて、今回のインスター国際試乗会は韓国見聞録という一面もあり、知らなかったことがたくさんありました。この旅程にはヒョンデの現地スタッフも同行してくれて、リアルな感想も聞き、驚きの連続でもありました。

まず、ヒョンデはグローバルでの販売台数は世界3位を記録しています。フォルクスワーゲンとトヨタがトップを競いあい、ついでヒョンデとGM、そしてルノー日産・三菱連合で3位争いです。日本にいるとヒョンデのクルマを見かけることは稀ですが、北米や欧州では非常に多くのヒョンデ車を見かけます。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
ヒョンデのプレミアムブランド「ジェネシス」のトップモデルG90。メルセデスベンツのSクラスロングがライバル(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

そのヒョンデでのブランド・ヒエラルキーは、ベースにヒョンデとKIAがあり、トップグレードにジェネシスがあります。ジェネシスはトヨタのレクサスに似た位置付けで、プレミアム・ブランドです。またKIAは元々別会社でしたが、ヒョンデグループに吸収され、トップモデルは量産の高級セダンまで持つフルラインアップを揃えています。つまり、同じグループ内でありながら、ヒョンデとKIAはマーケットではライバルという状況なんです。まさにカニバリ真っ最中ですね。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
信じられないほどの高層ビル群。韓国には地震がないそうだ。平均50階建前後が多い(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

韓国にはユニークな「軽車=キョンツァ」というのがあります。これは日本の軽自動車と同等の意味で、サイズが全長3600mm、全幅1600mm、全高2000mm以内という規定。エンジンは1000cc未満です。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
ソウルは意外と坂道が多く、電動キックスケーターのレンタルがあちこちにあり、乗り捨てが可能という便利さ(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

じつはキャスパー=インスターがそのキョンツァで、韓国ではバカ売れしているんです。日本にはこのインスターを軽自動車で輸入しようとしたそうですが、日本の規格には合わないため、輸入されればAセグメントに格付けされますね。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
パトカーにもヒョンデのEV IONIQ5が使われている。あの瞬発力だと誰も逃げられない?!(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

で、このキョンツァは高速代や駐車場代、税金などで優遇されており、本来韓国では大型セダンに乗ることがステータスだと言いますが、キャスパーの登場でキョンツァが見直され販売が伸びているという状況だそう。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
ETC相当のHi-Passは普及している。こうした料金所がなく通過しただけ課金できる場所もある(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

一方、韓国は道路整備をするにあたり、参考としたのがアメリカだそうです。たしかに道路幅は日本より広く、車線数も多い。反面駐車場がなく、路上駐車をしているクルマも多いです。現地スタッフのテミンさんによれば駐車違反の取り締まりはあるけど、罰金はそれほど高くないので、みんな路駐しているといいます。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
道路作りはアメリカを参考にしただけに標識がアメリカ風だ(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

同行したテミンさんは20代の男性で、彼女とのデートで憂鬱になるのがドライブ先での駐車場確保だというのです。事前に下調べをして駐車場の予約をするそうですが、予約を受け付けている駐車場は少なく、かつ駐車場そのものが少ないのでとても憂鬱になる、というほど駐車場事情が悪いそう。若い世代は知らないでしょうが、まるで、昭和40年代、50年代の東京と同じだと思いました。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
水色ナンバーはEVを示し、ポルシェやテスラも走っている(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

現地スタッフは10年前の日本と同じ交通事情ではないか?と言ってますが、ソウルや釜山の街を見ると、日本より先進的に見えるし、新しいことがどんどん取り入れられていると感じます。どっちが先進国なのか?もはや韓国のほうが新しいと感じます。

【スタッフ通信】意外と知らない韓国のおもしろさ 5/5
釜山のリゾートエリア。BMW7シリーズのEVも(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

そのひとつに、日本と違うのが、走っているクルマがみんな新しいクルマばかりで、古いクルマはまず見ないということ。韓国人にとってクルマはステータスであり、自分の給料以上のクルマを購入している人がたくさんいるといいます。それはどこか聞いたことのある話で、内情はかつての日本と同じ?

そして古いクルマは緑色のナンバープレートをつけ、税金面での優遇があるそうで、欧州と同じです。日本とは真逆の政策ですね。

ナンバープレートでは水色がEV車です。ソウル市内を走っているとタイカンやテスラを見かけますが、EVは全体の1割程度?かという見た目の感想です。

ただ、タクシーやパトカーにはEVのIONIQ5が使われており、個人所有はまだだだけど、公共交通などにはだいぶ浸透している印象がありました。日本も行政機関や政治家の先生たちが率先してEVに乗った方が国民の理解を得やすいように感じると思うけど、どうだろう。

提供・AUTO PROVE

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