皆さん、ボンジョルノ!イタリア・シチリア在住ライターのサエコです。
「海に行ってる?」 「海に行くの好き?」 「(今から)海に行くの?」
これは友人や同僚、近所の人から夏によく聞かれる質問です。イタリア人は海に行くのが大好き。夏にがっつり働いて冬はゆっくり休むことが多いシチリア人も、暇を見つけては海に出かけます。
ところで、イタリアの人はどのように海を楽しんでいるのでしょうか。イタリアにも海の家のようなものってあるのでしょうか。
答えはイエス!
今回は皆さんが夏にイタリア旅行をする際にきっと役立つ、リド(Lido)と呼ばれるイタリアの海の家についてご紹介したいと思います。今夏イタリアに来る予定の方、あるいは今後、夏にイタリア旅行を検討されている方の参考になれば幸いです。
リド(Lido)とは
一言で言えば、前述の通りイタリアの海の家です。
設備はなかなかしっかりしており、パラソルとビーチベッドが借りられる、シャワー&トイレ完備、単なる軽食ではなく、しっかり食事がとれるバール・レストラン併設、などなど朝から晩まで海で充実した1日を過ごすのに必要なものが全部そろっています。(とはいえ、タオルやサングラス等は持参しましょう)
<歩きやすいようにシートもひかれています>
何週間も長期でレンタルや定期券のようなパスを購入するファミリーも多く、海がイタリア人の夏を語る上で欠かせないものであることが分かります。
中にはホテルと提携しているリド、あるいはホテルが運営するリドもあるので、海の近くに宿泊する際にはリドがあるかを確認してみるのもよいでしょう。
もちろん、リドを利用することなく、だれでも利用できるエリアでビーチタオルなどをひいて海を楽しむこともできますが、何よりもシャワー&トイレが使いたい放題というのが一番のポイント。1日楽しむなら利用する価値は大いにあります。
リド(Lido)の楽しみ方
「ところでどうやって利用するの?」というのが気になるところでしょう。イタリア旅行中ならばきっと観光もされたいはず...ということで、「1日リドの日を作るなら」という視点からご紹介します。
1. 入場と支払い
入場時にパラソルとビーチベッドを借りて支払いをします。
値段は、海にどれだけ近いかよります。お察しの通り、最前列が最も高くなります。お昼近くになると混んできて空きがなかったりもするので「どうしてもいい場所がとりたい」という方は朝9:00~10:00ぐらいには到着することをおすすめします。
<とある日の朝9:00ごろ、とあるリドにて>
支払いを済ませると、スタッフがどのパラソルとビーチベッドを使ってよいか、案内してくれます。更衣室があるところがほとんどですが、すぐ海に飛び込めるように最初はもう水着を下に着ていきましょう。
2. ひたすら海を楽しむ
あとはひたすら海を楽しむのみ。
海でひとしきり泳いだあとは、ビーチベッドに寝転んで日光浴をしたり、読書を楽しんだり、お酒を飲みながら友人とおしゃべりをしたり...みんな思い思いにそれぞれの時間を過ごします。
何回も同じリドを利用している場合は、そこで新しい友人や繋がりができることも。
<ビーチベッドに寝転ぶだけで何だかすごくバカンスという感じがします>
南イタリア・シチリアの太陽はすごく強いです。火照った体を海で冷やせるとはいえ、水分補給もお忘れなく。
3. その他アクティビティ
大きいリドですと、ビーチボールが楽しめたり、子ども用の浅いプールがあったり、子どものためのダンスレッスンやゲームなどを企画するところもあります。
その他、場所や町にもよりますが、シュノーケリングやダイビング施設を併設(もしくは施設と提携)していたり、ボートにのったおじさんがボートツアーはどうかと営業をかけてきたりもします。
4. 食事
「海の家」ときくと、日本では焼きそばやフランクフルトのようなB級グルメ感のある食事がほとんどだと思いますが(なぜか海で食べると美味しさが五割増しですよね...)
食事の時間を大事にするイタリア人ですから、ちゃんとした食事がとれないとイタリアの海の家リドはうまくいきません。
アンティパストからプリモ、セコンド、デザートまでかなり充実しています。
参考までにですが、友人ととあるリドに行って、プリモ(パスタ)とセコンド(メイン)その他諸々を頼んだときは、全部一緒にまとめて持ってくることなく、パスタを食べ終わるのを待ってからメインを持ってきてくれました。それぐらい本格的です。
<プリモ:ズッキーニとエビとムール貝入りのフジッリ>
<メイン:海老を焼いたやつ>
なお、昼だけではなく夜も営業しているところが多く、レストランだけでも利用できるところもあります。
さいごに
イタリアの海の家リドの過ごし方、いかがだったでしょうか。私はシチリアでしかリドを利用したことがありませんが、シチリアだけのルールなどはないはずなので、基本的な利用方法はどこでも同じかと思います。
何かと見どころの多いイタリアですから観光にも大忙しだと思いますが、1日だけ、リドでただゆっくりする時間を自分にプレゼントするのも素敵な思い出になると思います。ぜひ、旅程に組み込んでみてはいかがでしょうか。
文・写真・サエコ/提供元・たびこふれ
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