岩政大樹監督 写真:Getty Images

 9月11日に行われるFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選のバーレーン戦で、インターネット動画配信サービス『DAZN』に解説者として出演予定の岩政大樹氏。2023シーズンまで鹿島アントラーズの監督を務めていたが、古巣のチーム構築における難しさや指導者としての失敗について語っている。

 現役時代に内田篤人氏らとともに、鹿島でJ1リーグ3連覇を成し遂げた岩政氏。現役引退後は解説者や大学生の指導者として経験を積んだ上で、2022シーズンにトップチームコーチとして鹿島へ復帰。同シーズン途中から監督を務めたがチームにタイトルをもたらすことができず、2023シーズン終了後に退任した。

 そんな岩政氏は、浦和レッズOBである鈴木啓太氏と対談。鈴木氏のYouTubeチャンネルで8日に公開された動画では、「色々なもどかしさがあるけど、それよりも強いのは『自分が今後指導者としてどう生きていかなきゃいけないか』を色々学ばせてもらった1年だった(という思い)。鹿島の方向性は、ある程度つけられたという手応えはあった」と鹿島監督退任時の心境を回顧。指揮官時代に直面した困難や、自身の問題点について以下のように語っている。

 「まわりが色々と言ってきたこともあるが、客観的に見てあのタイミングでの鹿島で、特に上田綺世がいなくなってどのような戦い方をするのか、とても難しい時だった。選手がどんどんいなくなる時から、ようやく植田直通や昌子源を戻して、柴崎岳も戻ってくれた。彼らを戻しながら、どのように次のサイクルに鹿島のフットボールを作っていくのか、という流れを作ればというところだった」

 「ただ、スタートの部分で曖昧すぎた。監督として『どのようなサッカーをしたいのか』という部分が、今の自分ほど明確ではなかった。その時の選手たちを並べた時に、あまり作り込まない方がいいと思った判断も含めて未熟だった」