アップル社のタブレット端末「iPad」を持つ人物が昔の写真に写っていた――。彼はタイムトラベラーなのだろうか。

■iPadを抱えた1941年の少年はタイムトラベラーか?

 米イリノイ州シカゴのサウスサイドで1941年に撮影された写真にタイムトラベラーがいるとSNSで議論を巻き起こしているようだ。

 エドウィン・ロスカム氏が撮影したこの街角スナップ写真は、映画館の順番待ちで並ぶ黒人の子供たちの様子をとらえた、当時の日常のヒトコマである。

 男児女児共にきちんとした身なりの黒人の子供たちが、当時の人気コメディの映画版『The Aldrich Family(アルドリッチ・ファミリー)』をみんなで鑑賞しようと昼の映画館の前で列を作っている。

]1941年の写真に写る“iPad”持つ少年はタイムトラベラーなのか!?
(画像=画像は「Reddit」より,『TOCANA』より 引用)

 この写真の右端にいる少年がSNSで話題になっており、この少年が「iPad」を脇に抱えているのではないかという憶測を招いているのである。確かに本体の中央にはアップルのロゴに見えなくもない薄っすらしたマークもあるようだ。

 この写真は「Reddit」のタイムトラベラーのコミュニティで共有され、あるユーザーは「iPadを持った映画鑑賞者、一番右」と主張した。しかしこの少年はノートや本を持っているだけだと指摘する者もいる。

 はたしてこの少年はiPadを持ったタイムトラベラーなのだろうか? この先も議論は続きそうだ。

 しかしある意味で新鮮に思えるのは子供たちの身なりである。この時代、たとえば日曜日に家族で教会に行く際などには子供たちもきちんと正装していたといわれている。この写真の子供たちは教会帰りにみんなで映画を見に来たのかもしれない。

 列を成しているのは黒人の子供たちばかりだが、ここサウスサイドは特にこの時代にはアフリカ系アメリカ人が多く住んでいた地区で、黒人の作家や音楽家、政治家が多く住んでいる街である。ちなみにバラク・オバマ元大統領もこの街の出身だ。

 SNSユーザーの中にはiPadよりもこの時代のファッションに言及する者も少なくないようで、

「みんなとても素敵な服を着ている。日曜の晴れ着を着て映画を観るのは、最高のご褒美だったに違いない」

「私も、ちょっとしたことでみんながあんな格好をしたらいいのにと思うことがある」

「みんながこんなに素敵な服を着ているなんて驚きだ。小さな男の子たちの帽子は本当にかわいい」

 などのコメントが書き込まれている。

 この少年がタイムトラベラーであるかどうかはともかくとして、この時代のこの場所を物語るレトロで貴重な街角スナップであることは間違いない。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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