国民の5人に1人が後期高齢者(75歳以上)となり、労働力人口のさらなる減少につながる「2025年問題」が目前に迫っています。
現在、正社員不足と考えている企業はどのくらいいるのでしょうか。
株式会社帝国データバンクは、全国1万1,282社から回答を得た調査結果を公開しました。
半数以上の企業が「正社員不足」と回答
全業種の従業員の過不足状況について、正社員が「不足」と感じている企業の割合は51.0%でした(2024年7月時点)。前年同月比で0.4ポイント低下したものの、依然として5割を上回っているようです。
また、非正社員における割合は28.8%でした。
正社員の人手不足は、主にどのような業種で深刻なのでしょうか。
業種別で見ると人手不足の割合がトップなのは、主にIT企業が当てはまる「情報サービス(71.9%)」でした。
企業からは「スキルマッチした要員が不足しており受注に至らない(新潟県)」、「人手不足が原因で、引き合いも増えているなかでお断りすることも多く、新しいことにチャレンジする時間も確保できない(香川県)」といった声が寄せられたといいます。
人手不足が深刻な業界、2位以下は?
人手不足割合の第2位は、時間外労働の上限規制が強化され「2024年問題」に直面している「建設(69.5%)」でした。
企業からは「大規模工場や大型再開発事業の影響で、地場の建設業者は大変な状況(北海道)」「大阪府の建設業者全般を見渡すと万博工事の影響により、人手不足や資材の高騰に悩まされている業者が大多数(大阪府)」といった、各地域の事情を反映した声が寄せられているといいます。
また、若年層の不足が顕著な自動車整備や警備などが当てはまる「メンテナンス・警備・検査(65.9%)」や、今年1~6月の訪日客が過去最多になっているなかで「旅館・ホテル(65.3%)」などでも、人手不足は深刻の業種だといいます。