9月8日、北海道コンサドーレ札幌の本拠地である大和ハウスプレミストドームで行われたYBCルヴァンカップ(ルヴァン杯)準々決勝の第2戦(VS横浜F・マリノス)で、怪我のため長期離脱していた札幌のMF深井一希がピッチに帰ってきた。昨年9月23日の名古屋グランパス戦から実に351日ぶりの復帰となった。
昨年秋に右前十字靭帯断裂、右内側半月板損傷、軟骨損傷と診断され、札幌市内の病院で自身5度目となる膝の手術を受けた深井。スポーツ選手が膝にメスを入れた場合、試合への完全復帰が可能となるまで一般的には全治8~10か月とされており、手術後もリハビリを受けながら機能回復に努めるため、精神的にも肉体的にもかなり辛い時間が続く。
深井は「今回の怪我は病院の先生的にも難しい状況だと言われました。だからこそ沢山の人に影響を与えられる可能性があるんじゃないかということで急遽Instagramを始めました」と自身のアカウントを開設し同じ怪我で苦しむ人の為に日々のリハビリ風景を投稿していた。そんな深井に、サポーターからは労いの言葉が多く集まっていた。
ホームで迎えたルヴァン杯の横浜FM戦。後半38分にDF馬場晴也と交代で深井が投入されると、誰もが待ち望んだこの瞬間に会場からは温かい歓声や拍手が沸き起こった。同41分には深井がヒールでシュートを放つなどゴールを狙う場面も見られた。
試合後のインタビューでは「試合に出るために全員で競争が必要。ここからが本当の戦い。やっとスタートラインに立った」と、最終的なチームの目標であるJ1残留へ向けて引き締まった表情で回答した。
この日は3-1で札幌が勝利したものの、2戦合計の成績で7-4と上回った横浜FMが準決勝へと駒を進めた。