鹿島アントラーズ元監督の岩政大樹氏は、9月11日に行われるFIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選のバーレーン戦で、インターネット動画配信サービス『DAZN』に解説者として出演する予定だ。その岩政氏がJクラブの監督就任に意欲を見せた一方、指導者ライセンスに関する問題に踏み込んでいる。
2023シーズン限りで鹿島監督を退任した岩政氏。2024年1月からベトナム1部ハノイFCを率いると、ポゼッションサッカーを植え付けて、チームの立て直しに成功。シーズン終盤に5連勝を飾り、優勝クラブから勝ち点10差の3位でシーズンを終えたほか、国内カップ戦でもチームを準優勝に導いたものの、7月上旬にチームを離れている。
再びフリーとなった岩政氏だが、浦和レッズOBである鈴木啓太氏との対談で自身の今後に言及。鈴木氏のYouTubeチャンネルで8日に公開された動画では、ハノイFC監督時代に「攻撃的で相手を圧倒して勝つ強いチーム、面白くて勝つチームをどう作るか」という指導者としての軸ができたことを強調。
その上で「ハノイFCでできたサッカーを、日本のクラブで基本的には表現したい。(自分の考えとクラブの哲学やチーム編成などがマッチするような)そういうクラブがあれば、来年のはじめからやるだろうし、もし無ければまた自分のキャリアを考えないといけない」と、Jリーグ復帰への意欲を見せたが、Jクラブの監督就任が難しいことも認識している。
同氏はハノイFCの監督就任前に、Jリーグクラブも含めて「どんな条件でも良いから、オファーしてくれないかな」と思っていたことを明かすと、この指導者の考えについて「指導者業界のリアルであり、良くない部分」とし、日本の指導者が抱える問題点について以下のように述べた。
「日本のライセンスだと、基本的に欧州には渡れない時代。日本のライセンスを取った指導者は、日本が最高峰になる。日本の中だけでクラブを探そうとすると、すごい狭いパイの中をみんなが獲りあわないといけない。その中で『何とか仕事ください』と探している。クラブに対して、指導者がお願いしている。日本にこだわって『お願いします』と言っていたら、クラブと対等になれない。指導者として弱い」