近年はソーシャルメディアの急速な普及により、消費者がカジュアルなコンテンツへ気軽にアクセスできるようになった。その一方で芸術や文化、歴史コンテンツはその可能性を十分に発揮できずにいる。芸術や歴史の奥深さと豊かさを伝えるには高度なテクノロジーと洗練されたインタラクションが必要となるため、アクセスが制限されがちなためだ。

最近はバーチャル空間で所蔵作品を展示するメタバース美術館・博物館、現実の神社を再現したメタバース神社なども多く登場しているが、リアルな没入感を実現するのは至難の業だという。

そんななか、ベトナムのスタートアップPhygital Labsは、メタバースプラットフォーム「Galerio」を設立し、ベトナム最後の王朝をテーマにした空間文化体験を発表した。現在、galerio.ioで世界中からアクセス可能(Vision ProとQuestに対応)だ。

ストーリー主導の没入体験を作り出すメタバース

Image Credits:Galerio

Galerioは空間コンピューティングを使用して、ストーリー主導の没入体験を作り出すメタバースプラットフォーム。AppleのVision ProやMetaのQuestなどのデバイスを活用して、芸術・文化・歴史分野のアーティファクトをリアルに再現する。

MetaのHorizo​​n WorldsやDecentralandなどのソーシャル型のメタバースは、「共有のメタバース空間で他者とリアルタイムでつながること」に重点を置いているが、Galerioは高忠実度のメタバース環境内での発見・探索を核としている。Galerioでは直感的でハンズフリーなインタラクションを提供し、時を超えて受け継がれてきた歴史的・文化的な物語へとユーザーを導く。