田中碧 写真:Getty Images

 FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選の日本代表に招集されているMF田中碧。8月30日にドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフからイングランド2部リーズ・ユナイテッドへ完全移籍したが、現地メディアが移籍成立の裏側を報じるとともに、リーズ率いるダニエル・ファルケ監督の不満を伝えている。

 かねてからステップアップ移籍を望んでいたものの、代理人の変更を巡る問題を抱えていた田中。スコットランド1部セルティック、セリエA昇格組のコモ・カルチョ、デンマーク1部FCミッティランからの関心も報じられるなか、リーズに新天地を求めたが、一部報道によると欧州5大リーグ1部でプレーする選択肢もあったという。

 英メディア『チームトーク』は9月8日に「田中のリーズ移籍は大きな後悔を伴う」という見出しのもと、日本代表MFの駆け込み移籍を特集。リーズ加入に至るまでの過程について、以下のように綴っている。

 「リーズは田中を数年にわたり追い求めていた。2024年夏の移籍ウィンドウはじめにも彼の獲得に動いたが、提示額が低く却下された。しかし、田中とデュッセルドルフの契約期間が残り10か月となるなか、選手サイドが契約延長を拒否する方針を明らかにすると、リーズは提示額を400万ユーロ(約6億3000万円)まで引き上げた。デュッセルドルフには移籍期間終了の2日前に提示されたオファーを受け入れる以外の選択肢がなかった」

 一方でリーズの専門サイト『MOT Leeds News』は8日に「リーズはダニエル・ファルケ監督から許可を得ずに、田中と契約した。これに指揮官は立腹している」とリポート。「ファルケ監督が田中を悪い選手だとは思わないし、彼の起用を拒否することはない」としつつも、クラブ幹部に不満を抱いている現状を伝えた。

 日本代表合流前の9月1日に、イングランド2部リーグ戦でデビューを果たした田中。ファルケ監督にとってのトップターゲットではないだけに、ゴールやアシストなどで結果を残し、指揮官からの評価を上げることが求められる。