日本人選手を多く擁するシント=トロイデンVV(STVV)は、ベルギー1部リーグで下位に低迷。今季開幕から約1か月後にクリスティアン・ラタンツィオ監督を解任したが、現地ではSTVV幹部に対する批判が噴出。新戦力である日本代表DF谷口彰悟のプレーに対する不満の声も挙がっている。
STVVは2023/24シーズン終了後に日本代表GK鈴木彩艶など複数の主力選手を放出。谷口やパリ五輪U23日本代表GK小久保玲央ブライアンらを獲得した。しかし小久保、MF藤田譲瑠チマ、MF山本理仁のパリ五輪U23日本代表招集、前線における補強の遅れもあり、ベルギー1部リーグ開幕から黒星が先行。谷口の不振もあり、6試合で3分3敗15失点と厳しい戦いを強いられるなか、クラブは9月3日にラタンツィオ監督の解任を公式発表している。
この解任劇はベルギー国内に衝撃をもたらしている模様。同国紙『HBVL』が8日に伝えたところによると、KAAヘントなどベルギー国内複数クラブでのプレー経験を持つヨハン・ボスカンプ氏は、「STVVの幹部は冗談だと思う。彼らは移籍市場における自分たちの失敗を棚に上げるために、ラタンツィオ監督の背後に隠れた。現場に責任を押し付けた」と、フロントに厳しい目を向けている。
またSTVVの守備陣が崩壊しているだけに、現地では「谷口の出来に納得できない」「谷口のパフォーマンスが改善しなければ、冬にディフェンダーを獲得すべき」といった批判が。日本代表の主力センターバックが「補強の失敗作」としてレッテル貼られているという。
なおSTVVは5日、フェリス・マズー氏の招へいを発表。かつてユニオンSGで日本代表DF町田浩樹、シャルルロワSCでMF森岡亮太を指導していたマズー氏について、ボスカンプ氏は以下のように評している。
「私は彼の成功を祈っている。彼のサッカーのやり方はSTVVのようなクラブにも適している。彼はまずしっかりとした組織を作り、そこから積み上げていくやり方だ。シャルルロワSCやユニオンSGでも、そのやり方で成功している」