かつてブルガリアに西暦2370年の未来からやってきた少年がいたという。小学校教師の目から見てこの少年は確かに“未来人”であった――。

■西暦2370年からやって来た少年

 ブルガリア第2の都市、プロヴディフの小学校教師、ペーター・ゴルブスキは1998年のある日の帰路、路上でどこへ向かうでもなく迷子のように見える6、7歳くらいの少年を見かけた。

 ペーターが近づいて声をかけると、少年は少し驚いて「今年は何年ですか?」と尋ねてきたのだ。

 ペーターが「1998年」と答えると、少年は絶望に襲われたかのように泣きだした。

 泣き止まない少年に困惑するばかりのペーターだったが、身寄りがなさそうなこの少年を仕方なく家に連れて帰ることにした。ペーターは独身で一人暮らしであった。

 自宅に招き入れてひとまず食事を与えると、少年は食欲旺盛に食べて落ち着きを取り戻した。

 お腹が満たされたところで、ぺーターは少年から話を聞いたのだが、その内容は驚くべきものであった。

 スールという名前のこの7歳の少年はなんと西暦2370年の世界の住人であり、友人2人とタイムマシンを操作してここにやって来たというのだ。本来は2200年に行くつもりであったが、機器にエラーが発生して1998年に来てしまったのだという。

西暦2370年から来た少年は時空の間で迷子になったのか…?彼は未来に消えたのかもしれない
(画像=画像は「Pixabay」より,『TOCANA』より 引用)

 思いがけずにやって来た1998年の世界で2人の友人はエラーの修正作業をしていたが、スールは外に咲く鮮やかな花々に魅了されてタイムマシンから出て夢中で辺りを探索しているうちに、仲間たちは彼を置いて出発してしまったようなのだ。

 スールの話は信じ難かったが、ぺーターはとりあえずスールを自宅に住まわせることにし、警察や福祉機関に連絡を取った。少なくともプロヴディフでは行方不明の児童はいないようであった。

 やむを得ず一緒に暮らすうちに、ペーターは7歳のスールの知識がきわめて豊富であることに気づかされた。小学校教師の目から見ても、スールは少なくとも12、3歳レベルの知識と知能を持っていたのだ。この点で確かにスールが“未来人”であっても不思議ではなかった。

 奇妙な共同生活をはじめて3カ月が経ったある日、スールは外出したまま帰らぬ者となった。誘拐された可能性もあることから警察にも連絡したが、友人たちがタイムマシンでスールを迎えに来たのではないかとも考えられた。

 警察によるスールの捜索は2008年まで続けられたということだが、近隣諸国にも及ぶ捜索の甲斐もなく何の手掛かりもつかめないまま打ち切られることになった。スールは西暦2370年の世界に戻ったのだろうか。とすればその世界にはタイムマシンがあるのだから、またひょっこり姿を見せることがあるのかもしれない!?

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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